アベノミクス“第4の矢”といわれるのが2020年の東京五輪。国外から多くの観光客の来日が予想されるが、その際のコミュニケーション手段のひとつとして、音声認識技術を使った通訳機能が、今後の注目を集めそうだ。ラジオNIKKEI記者・和島英樹氏は、その中でも、クラリオン(東証1部・6796)の技術に注目している。以下、和島氏の解説だ。
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カーナビゲーションやカーオーディオなどの車載機器を手がけるクラリオンは、2013年10月に画期的な音声認識技術を搭載したカーナビ「NX 713」を発売した。これまでも音声入力できるカーナビはあったが、自動車独特のエンジン音や風切り音などで認識ミスが多いという問題がつきまとっていた。これに対し、同社は独自開発のノイズフィルターで入力エラー軽減を実現させた。
同社カーナビの機能面の高さには定評があり、たとえばマクドナルドを「マック」や「マクド」などと発音しても正しく表示されるという。さらに、グーグルと提携したことで、同社の位置情報やスマホで培った音声入力・変換システムも活用されている。
いまや各社からスマホ向けの音声認識技術が登場し、本格的な普及期を迎えつつある。なかには通訳機能も進化し、英語やフランス語、中国語などに対応する機種もある。2020年の東京五輪などで多数の外国人観光客が来日した際に、音声認識技術が活用される場面も想定されるなか、同社の技術の優位性が注目を集める期待も膨らむ。
※マネーポスト2014年新春号