年末年始のイベントシーズンとともにやってくる“カニシーズン”。テレビや雑誌、新聞、ネットでカニの特集や広告を見ない日はないというほど、日本中が一気にカニモードに突入する。
昨今はカニを専門に扱う通販ショップも増え、以前よりも手軽にカニを楽しめるようになっている。しかし一方で、「実際に届いたカニにガッカリ」という経験談を耳にすることもしばしば。
「冷凍されてくることは知っていたが、想像を絶する氷の厚さだった。がんばって解凍したら貧相なカニが現れた」(男性40代メーカー勤務)
「お菓子などおいしいものを取り揃えている通販ショップなので、安心してカニを買ったら大ハズレ。親戚にも送ってしまったので恥をかいた」(女性50代主婦)
改めて、現物の見えないカニ通販がいわば“ギャンブル化”していることを実感せざるをえない。安心してリピートできる業者の見分け方はないものか。
カニ通販サイト「かに親分」を運営する(株)エバーイノベーションジャパン広報事業部部長の水口旭さんに聞いた。
「ほんの一部でしょうが、実際にボアアップ(カニを氷で覆うこと)でかさ増ししている業者はあるようですね。本来はカニを計量してから急速冷凍するのですが、そのような業者は逆。ボアアップしてから計量します。つまり、氷の重さもカニの重さとしてカウントしているんです」
運悪くそんな通販ショップを選んでしまったら……と思うとゾッとする。
「毎日カニを触っている人間なら、身が詰まっているか詰まっていないかを見分けるのは簡単です。“さばいてみないと身の量はわからない”なんてことはまずありません」
どうやら中身がスカスカなカニも、確信犯である可能性が高いようだ。食材偽装は今年を象徴するトピックの一つだが、「タラバガニ」と偽って、実際は少々値落ちする「アブラガニ」を販売しているケースや、安価な紅ズワイを「本ズワイガニ」とうたって販売しているケースもあるのだとか。