夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、通信メーカー勤務のご主人(34歳)。結婚以来、疑問だった奥様(32歳)のミステリーがようやく解けたそうです。
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ウチの奥さん、言い間違いや読み間違いがひどいんです。英語は基本ローマ字読みで、「Fun」(ファン)は「フン」で、音楽家の「Chopin」(ショパン)は「チョピン」……って誰だよ(笑い)。先日は一人でケラケラ笑いだし、「アハハ、『鬼にカネボウ』って傑作ね。鬼もキレイになりたいのかしら?」。それをいうなら「鬼に金棒(かなぼう)」!
テレビで「次は汚職事件のニュースです」といってたのをずっと「お食事券」のことだと勘違いしてましたし、童謡も『おべんとうばこのうた』の歌詞「おにぎりおにぎり ちょいと詰めて」の部分を「おにぎりを握り ちょいと冷てー」だと思ってたらしいです。「何でこんなに間違えるんだろう?」と不思議に思ってたんですが、秋に家族で九州に旅行し、福岡に住む妻の祖父を訪ねました。
結婚式以来ですが、84歳の祖父はすっごく元気で「携帯もらくらくホンじゃなく、ドコモの普通のを使ってるよ」、そういいながら僕の携帯を見て「キミのは『アーウー』か?」……。「ドコモ」と同じく「au」もローマ字読みで「アーウー」になったようです。そして息子の「NIKE」のシューズを見て「ニケ? こぶ平(林家正蔵)がCMをやってた二木ゴルフは靴も売ってるんだ?」。
謎が解けました。妻の言い間違いは、祖父からの隔世遺伝だったのです。
※週刊ポスト2014年1月1・10日号