いまや4人に1人がスマートフォンをもつ時代だが、機種変更するならやはりガラケー(ガラパゴス携帯=日本独特の二つ折りタイプなど)という人は少なくない。携帯ショップでは機種がないからと、中古携帯ショップへ足を延ばす人が増えている。
建設会社で営業として働く30代男性は、慣れたガラケーを引き続き使うために中古ショップへと足を運んだ。
「一度、変更したいガラケーの機種がなかったのでスマホにしましたが本当に不便でした。フル充電しても一日もたないですし、何より電話しづらい。学生だったらLINEのメッセージだけで通話しない生活も成り立つのでしょうが、営業の人間にそれはできません。電池がなくなって、お客さんからの電話をとれなかったら大問題ですよ」
中古携帯を買うのはガジェット好きなマニアが多いと思われがちだが、スマホから中古ガラケーへ移った彼は野暮ったさとは無縁のスマートな男性だ。彼のように、ガラケーを求めて中古を購入する人が増えている。
中古携帯を専門に取り扱う株式会社アワーズは、今年6月に中古ガラケー専門店「ガラケー生活」をオープンさせた。これまではスマートフォンなどと一緒に同じ店舗で販売していたが、ガラケーへのニーズの高まりに合わせて特化型店舗を新設した。ガラケー生活店長木村さんは、専門店開店の反響はとても大きかったという。
「購入される方は30代~40代のサラリーマン世代が中心ですが、最近は女性も少なくありません。メールと電話さえできればよく、スマホよりボタン操作がしやすくて電池の持ちがよいからと購入されます。中古ガラケーには契約期間のしばりがなく、携帯本体代金が非常に安い。auだけはauショップで手続きしないとなりませんが、ドコモやソフトバンクはSIMカードを差し替えるだけで使えます。このような中古のメリットが広まり始めていますし、スマホに流されない一途なガラケー男子はもてますよ」
スマートフォンの保有率は右肩上がりで、5年後には電話契約数の7割を超える予測がある。いまや携帯ショップに並ぶガラケーの種類は減る一方だ。機種変更でガラケーを選びたくても、シニア向けか子ども向けしか在庫がないと言われる。2013冬モデルで各キャリアから新機種が発売されたが、慣れた使い勝手の後継機種を望む声には応えきれていない。