成長の歪みは決して小さくないようである。中国の情勢に詳しいジャーナリスト・富坂聰氏がレポートする。
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旧正月を重視する中国だが、年末はそれなりに一年を回顧する雰囲気に包まれる。
そんななか清華大学などが2013人を対象に行った「2013年の感想」という調査が話題になっている。
結果はなんと圧倒的多くの中国人が「累(疲労)」と答えたというのだ。その中身には「身体の疲れ」、「心の疲れ」、「とにかく疲れた」などさまざまなものがあったというが、いずれも「累」の字が目立ったという。
また同時に行われた調査で、「あなたの2013年を5つの味に例えると?」という質問に対して、最大は「5色」で58.9%というあいまいなものだったが、ただ第2位には「苦い」、そして3位は「酸っぱい」が続くという結果だった。
これだけでも中国の多くの人々が感じている閉塞感が伝わってくるようなのだが、さらい興味深いのは、「あなたの2013年を5つの色に例えると?」という質問に対する回答だ。
結果、第1位はなんと「灰色」。続いて「5色」となって3位が「黒」という解りやすい傾向を示した。
これでは「良い1年だった」と過ぎ去る年を回顧することはできなさそうだ。