2013年12月5日、長らく演歌界を牽引してきた北島三郎(77才)が、紅白歌合戦から引退すると発表した。記者会見では、その理由を「後輩に譲りたい」と語った。『NHK歌謡コンサート』や『NHKのど自慢』などを担当し、紅白にも携わるNHKのチーフ・プロデューサー二谷裕真さんはこう語る。
「紅白64回の歴史のうち、50回に出場する北島さんは、まさに紅白の顔。いつかはそういうこともあるかと思っていましたが、やはり驚きました。紅白を牽引してきた北島さんの引退で、次の紅白のことを考えると、不安になります」
多くの人を驚かせた今回の発表。実は、北島は引退を2年ほど前から、考えていたという。北島を“兄さん”と慕う演歌歌手・前川清(65才)は、テレビ局の楽屋で、この頃にした会話を覚えている。
「ゴールのない世界ですから、“ぼくたちはいつまで歌い続けるんでしょうね?”と言うと、“お客さんが決めてくれるのか、それとも自分で決めるのか。そういう時期がたぶん来るんだろうな…”と話されてましたね。今思えば、紅白引退のことを言ってたんでしょう…」
“引退”発表の直後から北島のCDの売り上げは、なんと30倍に。1月1日発売予定の新曲『人道』にも注文が殺到している。その作詞を担当し、千昌夫(66才)の『北国の春』など多くの演歌を手がけてきた作詞家のいではくさんは、その理由をこう推測する。
「北島さんの紅白卒業をきっかけに、演歌に興味を持った人が生まれたのでしょう」
※女性セブン2014年1月9日・16日号