主婦にとって「へそくり」は家計防衛のために重要なもの。2013年に損保ジャパンDIY生命保険が行ったアンケート調査によれば、サラリーマンを夫にもつ主婦のへそくり平均額は416万円にものぼるという。本誌が500人の既婚女性を対象に行った調査では、へそくりの目的は「自分へのご褒美」(44%)、「生活費の予備」(31%)、「家族へのプレゼント」(26%)、「老後のため」(17%)となったが、「将来の離婚費用」を目的とする人も9%と少なくない。
ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんによると、家計相談にくる女性にへそくりが多額にある場合、十中八九、夫婦仲が悪いという。
「“夫が嫌になったら即離婚”では収入のない主婦はその後の生活に困ってしまいます。離婚する前にまとまったお金を貯めねば、という発想からへそくりへと向かう。そういうかたは、毎日の夫へのストレスが原動力になるのか、執念でガッツリ貯める人が多い」(畠中さん)
前出の本誌調査では、へそくり総額1000万円以上の女性は「夫婦関係が円満」である割合が14%。へそくり総額10万円未満の43%より圧倒的に低い。さらにアンケートでは、へそくりを貯めることによる気持ちの変化として、
「300万円を超えたあたりから、いつ離婚してもよいと思えるようになった」(44才)
など、夫を捨てる準備や覚悟が固まるといった声も。取材に応じてくれた東京都在住の主婦Aさん(30才)もまさにそんなひとり。
「夫とはささいなことでけんかしてばかり。夫からは毎月決まった生活費と私のこづかいをもらっているのですが、子供が生まれたからって、こづかいを月5000円もカットされたんです。へそくりはアンケートモニターなどのプチ稼ぎで月1万円ほど貯めています。最初、自分が欲しい物を買うためだったけど、最近はもっと貯めて、いつかこのお金でワンルームマンションを借りて、出て行ってやる、という思いが生まれています」(Aさん)
夫への不満を募らせる妻にとって、貯まったへそくりが、離婚へのトリガーになる部分はありそうだ…。
※女性セブン2014年1月9・16日号