数々の便利グッズを発明し、企業に商品化を提案している、発明ラボックス代表の主婦発明家・松本奈緒美さんは、不便さに感じたことを発明のネタにつなげるという。
「以前していた現代美術の仕事は、作品で誰が喜ぶのか疑問に感じて退職しました。主婦として節約を頑張るも、マメではないのでやがて夢見ることもなくなり…。そんな私を変えたのが発明でした。かかとがないだけのダイエットスリッパで一攫千金を掴んだ主婦に続けと(笑い)。
“拭き掃除と掃除機がけを同時にして苦手な掃除をラクにしたい”と思ったのが第一歩。試作しては主人が試し、家事で絶えなかった夫婦げんかも収拾し、生活も改善されました」(松本さん、以下同)
発明の初期投資は、とにかく少なくすることが重要だという。
「身近な便利グッズを見ても、不器用でも作れそうな単純なものが多いですよね? 着古した洋服も試作に使えます」
そして、自分だけでなく他人の「不便さ」を想像することが大事だ。
「商品化への最後の一歩は、より多くの需要を企業に提案すること。つまり、他人の不便さも想像します。耳あてマフラーなら、“就寝時に布団にもぐって息苦しくなっていたお年寄りも安眠できる”など、より多くの必要性を提案した結果、企業の反応もよくなりました」
※女性セブン2014年1月9日・16日号