2013年の慶事、長嶋茂雄、松井秀喜両氏の国民栄誉賞受賞をスクープしたのは、4月1日付の群馬県の地方紙『上毛新聞』(本社・前橋市)だった。
しかし扱いは小さく、1面に「長嶋、松井氏に国民栄誉賞」の見出しが掲載されたものの、記事は2面の天気予報の上にわずか26行で報じられているだけ。しかも、4月1日付だったこともあり、当初はマスコミ各社が「エープリルフールでしょ」と勘違いしたほど。夕刊で読売新聞が後追いして初めて騒ぎとなった。
担当記者にぜひ話を聞きたいところだが、「あの記事に関しては取材を受けないということで、社内で申し合わせができていて……」(編集局)とのこと。
──担当記者はその後も何かスクープを?
「いや、基本的に記事を書く者ではないので……」
──え?
「実は記者ではなく内勤なんです。まァ、元第一線にいた記者といいますか」
どうやら“スクープ記者”は上毛新聞の中でも相当エラい幹部だった様子。彼がどんなコネクションで情報を入手したのか……、それはいまもって謎である。
※週刊ポスト2014年1月1・10日号