“生還”と呼んで差し支えないだろう――中村うさぎさん(55才)が体に異常を感じ始めたのは2013年7月のことだった。当初は夏バテだと思っていた体調は悪化を続け、8月中旬には緊急入院。一時は心肺停止状態に陥り、死線をさまよった。現在は回復したうさぎさんが、自宅で送る療養生活について明かした。
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つい先日まで入院してて、途中、何度か死にかけたものの、奇跡的に自力で復活した私である。今や退院して食べたい物も食べ放題(入院中は制限されてたの)、自由な毎日を謳歌している。
ただ、入院中はひっきりなしにお見舞い客が来てくれてたのに、自宅を訪問するのは気が引けるのか、誰も会いに来てくれない。ゆえに、退屈で退屈で仕方ないのだ。誰か遊びにきてぇーっ!
まぁね、これは私も悪いっちゃ悪い。片づけられない女なので、常に床が見えないくらいゴミや服が堆積してる汚部屋で、ほとんど人を家に呼んだことがないのだ。仕事の打ち合わせも外でやるし、どこかの雑誌やテレビから「お部屋で仕事してるところを撮らせてください」なんて頼まれても頑なに断り続けてきた。
だから、周囲の人々が「ああ、中村は人を家に入れるのが嫌いなんだな」と認識しても無理はない。そうか、自分で蒔いた種だったのか。
でもね、聞いて。今、うちはものすごくきれいなの。何人かの友人たちとダスキンお掃除サービスの人に来てもらって家中ピカピカだし、何より私が車椅子で家の中を移動しなきゃいけないので、床がゴミだらけだと無理なのよ。
そう、今回の闘病でいちばん身にしみて感じたのは、「私は夫がいないと生きていけない」ということであった。ご存じの人もいらっしゃるだろうが、私の夫はゲイである。したがって私たちの間に性愛的な関係は一切ない。
なのに、夫はそんな私を甲斐甲斐しく介護してくれて、ウ○コも拭いてくれるし、オシッコ漏らしたオムツも嫌な顔ひとつせず替えてくれ、時に「ハグ、ハグ」と言いながらぎゅっと抱きしめ合ったりして、「あたしたち、なんて仲がいいんだろう」とわれながら感心するくらいなのである。
※女性セブン2014年1月9・16日号