ビジネス

「目指すのは劇団四季のような専用劇場」とプロレス団体社長

新日本プロレスとDDTのW契約レスラー、飯伏幸太

 いま、もっとも人気を集めるレスラーのひとり、飯伏幸太は2012年10月からDDTと新日本プロレスのダブル契約選手となった。プロスポーツ界全体を見渡しても珍しい2団体同時契約はなぜ、可能となったのか。プロレスラーの生活はどのように成り立っているのか、団体経営の要は何か。ブームの兆しを見せているプロレス界の台風の目、DDTの高木三四郎社長に聞いた。

 * * *
――飯伏幸太選手の2団体同時契約は、かなり特殊な形ですね。

高木三四郎(以下、高木):たぶん、DDTじゃなかったらOKしなかったと思うんですよ。プロレス界にはコミッションがないので引き抜きや移籍が自由に行われてきましたが、飯伏については企業としての手順が踏まれて、まず新日本さんからDDTに移籍を打診されました。そのときは、本人の希望でお断りしています。

 しばらくして、どうにかして飯伏が新日本プロレスに所属できる方法はないかと「2団体所属」という形を提案されました。そのとき、これは面白いことになるなと思っちゃったんですね(笑)。調べてみましたがおそらく、サッカーや野球を見渡しても二団体に同時契約という事例は世界で初めてのことですよ。選手のキャリアにもプラスになるし、今までは実現が難しかった試合もやりやすくなるので、プロレス界も活性化されて良い話です。

――プロレスラーの契約というのは、通常はどのような形なのでしょうか?

高木:レスラーとDDTという会社との契約は人によって様々です。試合ごとの契約もあれば団体所属、社員の場合もあります。だから、支払いも一試合ごとのギャランティ計算、月給などバラバラです。新日本プロレスのような大手団体だと年俸の12ヶ月割や月給制がほとんどだと聞いていますが、DDTは月に1回しか試合がない時代があったので、その名残で複数の支払い形態があります。

――すべてのプロレスラーがプロレスだけで生活できているのでしょうか?

高木:年に一度『週刊プロレス』がプロレス名鑑を発行していますが、2013年はそこに485人のレスラーが掲載されていました。そのうちプロレスだけで生活できている人は、おそらく100~150人くらい。でも、いま日本にプロレスラーは1000人近くいると思います。ご当地プロレス団体が全国にいくつもあって、その人たちは名鑑に載っていないんです。

――戦国時代と呼ばれているアイドルと同じような状況ですね。興行数がどのくらいだと、安定的なプロレス団体として存続可能なのでしょうか?

高木:いまDDT単体では月に1回の後楽園ホール大会に、400~500人規模の会場での地方大会をいくつか、そして年に1回、両国国技館や日本武道館といった大会場での大会を開催して合計すると80興行くらいです。経営する傘下団体もあわせると、一年で100興行を超えます。興行規模にもよりますが、100興行を下回ると会社存続が厳しいです。

関連キーワード

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン