国際情報

中国水道水の汚染ひどく日本の浄水器メーカーは濾過材を強化

 中国を訪れたことがある人なら、蛇口やシャワーから出る水の異臭を感じた経験があるだろう。世界の水問題に詳しいジャーナリストの橋本淳司氏が解説する。

「特徴的なのは塩素の匂いが非常に強いことです。水源の汚染度が高いため、消毒に多量の塩素が使われる。一般市民はそのまま飲んでいますが、富裕層は浄水器を取り付けたり、ミネラルウォーターを飲むのが当たり前になっている。

 北京で一般住宅における水道水の実態調査をした際には、白濁した水が出てくる事例がありました。日本のメーカーが中国向けの浄水器を開発しようとしたところ、水道水ににごり成分や有機物が大量に含まれていました。そこで日本で売っている商品より濾過材を強化する必要がありました」

 蛇口をひねれば茶色の水が出てくることは珍しくない。上海に駐在する日本人ビジネスマンが語る。

「ヤカンで煮沸して飲んでいたのですが、1年ほど経つとヤカンの底にバリバリとした何かが厚くこびりついて使えなくなってしまった。怖くなって、それからはミネラルウォーターを使うようになった」

 水道水には人体に有害な重金属などが含まれる事例も多い。11年8月には、江西省で銅精錬工場の排水が水道管に混入し、近隣住民100人以上が中毒症状を訴えた。上海では13年に入って市当局が水道の蛇口から鉛などの金属が溶出しているとの調査結果を発表。当局は水栓器具の金属溶出量について強制力のある新基準の作成に動いている。

※SAPIO2014年1月号

関連キーワード

トピックス

三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」に参列された愛子さま(東京・文京区。撮影/JMPA)
愛子さま、佳子さま、悠仁さま 三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」で最後のお別れ 悠仁さまは高校を休んで参列
女性セブン
大塚寧々と田辺誠一
《スマホの暗証番号も一緒》大塚寧々と田辺誠一「スピード再婚」から22年「いい夫婦」の愛だけがあふれた日常
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《沈黙続ける折田楓社長》「朝、PR会社の方から直接連絡がありました」兵庫県HPから“同社記事が削除された理由”
NEWSポストセブン
犬猿の仲といわれていた織田裕二と柳葉敏郎
織田裕二『踊る』スピンオフ『室井慎次』にこっそり出演 「柳葉さんがやるなら…」と前向きに検討、確執は昔の話 本編再始動への期待も高まる
女性セブン
谷川俊太郎さん(右)への思いを語った中島みゆき(左)(事務所の公式HPより、右は共同通信社)
中島みゆきが独占告白「本当に星になっちゃった。でも星は消えないですから」言葉の師と尊敬する谷川俊太郎さんとの別れ、多大な影響を受け大学の卒論テーマにも選択
女性セブン
ともに二世落語家という共通点も(左から三遊亭王楽、林家正蔵)
【過去に確執も手打ちか】三遊亭王楽「七代目円楽襲名披露興行」に父・好楽の“因縁の相手”林家正蔵が出演で落語界も騒然
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《慶應SFC時代の “一軍女子”素顔》折田楓氏がPR会社を創業するに至った背景「女子アナ友人とプリクラ撮影」「マスコミ志望だった」
NEWSポストセブン
SNS上だけでなく、実生活でも在日クルド人への排斥デモやヘイトスピーチが目立つようになっている(店舗SNSより)
「日本人は大好きだけど、もう限界です…」『ハッピーケバブ』在日クルド人の社長が悲鳴、親日感情をへし折る\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"ヘイト行為\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"の実態「理由もないのにパトカーを呼ばれて…」「脅迫めいた電話が100回以上」
NEWSポストセブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン
折田氏(本人のinstagramより)と斎藤知事(時事通信)
《折田楓社長のPR会社》「コンペで5年連続優勝」の広島市は「絶対に出来レースではありません」と回答 斎藤知事の仕事だけ「ボランティア」に高まる違和感
NEWSポストセブン
中井貴一
中井貴一、好調『ザ・トラベルナース』の相棒・岡田将生の結婚に手を叩いて大喜び、プライベートでゴルフに行くほどの仲の良さ 撮影時には適度な緊張感も
女性セブン
東北楽天イーグルスを退団することを電撃発表し
《楽天退団・田中将大の移籍先を握る》沈黙の年上妻・里田まいの本心「数年前から東京に拠点」自身のブランドも立ち上げ
NEWSポストセブン