ビジネス

仕事始めに読む名経営者の至言「ベスト求めずベターを追求」

 今日から仕事始めの人は多いだろう。「今年は懸案だったプロジェクトを短期間で成功させたい」「売り上げ倍増を目指したい」など、新年に誓う仕事の目標はハードルを上げぎみだ。もちろん志を高く持つことは大切だが、頑張りすぎて息切れしたり、目標未達の挫折を味わったりしたときの立ち直り方のほうが難しい。

 そこで当サイトでは、『心に火をつける名経営者の言葉』(PHPビジネス新書)の著者であるビジネスコンサルタントの竹内一正氏(オフィス・ケイ代表)に、新年だから聞いておきたい名経営者たちの珠玉の言葉5つを挙げてもらった。

 * * *
【便利なものでなく、必要なものをつくる】(中村義一・三鷹光器会長)

 日本の高度経済成長は「便利なもの」を生み出すことで成し遂げられた。白黒テレビに洗濯機、冷蔵庫や、クーラーに自動車。しかし、「便利なだけの製品」は、不況になると途端に売れなくなる。バブル崩壊以降の日本経済が証明している。

 ところが、「必要なもの」はどんな不況の時でも必ず売れると考える経営者がいた。東京は三鷹市にある三鷹光機の中村義一氏だ。宇宙開発用の観測機器をはじめ、世界初の非接触型三次元測定機を生み出し、さらには脳外科手術用の顕微鏡までてがけ、その技術力の高さはNASA(米国航空宇宙局)が認めるほど素晴らしい。

 不便が身の回りにたくさんあった古い時代は終わったのに、不便をまだ探して「便利」で儲けしようとしてはいないか。「便利」ではなく、目を向けるべきは「必要」の時代に私たちは立っている。

【小さな市場であっても、ナンバーワンになることが大切だ】(鈴木修・スズキ会長兼社長)

 急成長を遂げるインド。そのインドにおいて軽乗用車で高いシェアを誇るスズキだが、いきなり成功を手にした訳ではなかった。インドの隣国パキスタンで自動車生産を始めたころ、インド政府が国内への自動車普及を決断した記事を現地の新聞で目にした小さな偶然がきっかけだった。

 当時の日本の大手自動車メーカーの目は欧米には向いても、アジアのしかも発展途上国のインドなど眼中になかった。しかし、鈴木修氏はインド側の切実な思いを理解し、海のモノとも山のモノともわからなかったインドでの生産を決断した。そしてその判断はズバリ当たった。

 鈴木氏は大学を出て名古屋の銀行に勤め、その後スズキの二代目社長の娘婿としてスズキに入社。そして、社長就任時には約3200億円だった連結売上を3兆円を超えるまでに成長させた。

 いまの大きな市場ばかりに目を奪われて、未来の市場を見失ってはいけない。チャンスは小さいところに隠れている。

【世間や業界とは反対のことを常に考えろ】(山田昭男・未来工業創業者)

 長時間労働や「名ばかり管理職」問題は世間を騒がせてきた。そんな風潮を吹き飛ばす会社が岐阜県にある。

 残業ゼロ、ノルマは無い。ホウレンソウなんか必要ない。しかも、年間休日は140日以上。なのに、創業以来40年以上黒字を続けてきた会社――それが未来工業だ。電設資材の製造・販売を行っているが、それだけならどこにでもある。

 ユニークなのは、他社が考えつかない製品を次々と生んできた点だ。実は、電設資材は法律の規制に細かく縛られている。だが、創業者の山田昭男氏はそれを逆手にとって、法律の枠を目一杯使って、他社が考えつかない商品を生み出した。

 代表的なのは、電線を分岐するための保護箱「ジョイントボックス」。ねじ止めの作業性を大幅に改良したところ、現場から使いやすいと大評判となった。山田氏は「現場のことは現場が一番よく知っている」と断言する。だから、ホウレンソウなど無用だと言ってはばからない。

 上司の指示待ちでは現場は育たない。現場に任せない上司では会社は成長しない。

トピックス

三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」に参列された愛子さま(東京・文京区。撮影/JMPA)
愛子さま、佳子さま、悠仁さま 三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」で最後のお別れ 悠仁さまは高校を休んで参列
女性セブン
大塚寧々と田辺誠一
《スマホの暗証番号も一緒》大塚寧々と田辺誠一「スピード再婚」から22年「いい夫婦」の愛だけがあふれた日常
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《沈黙続ける折田楓社長》「朝、PR会社の方から直接連絡がありました」兵庫県HPから“同社記事が削除された理由”
NEWSポストセブン
犬猿の仲といわれていた織田裕二と柳葉敏郎
織田裕二『踊る』スピンオフ『室井慎次』にこっそり出演 「柳葉さんがやるなら…」と前向きに検討、確執は昔の話 本編再始動への期待も高まる
女性セブン
谷川俊太郎さん(右)への思いを語った中島みゆき(左)(事務所の公式HPより、右は共同通信社)
中島みゆきが独占告白「本当に星になっちゃった。でも星は消えないですから」言葉の師と尊敬する谷川俊太郎さんとの別れ、多大な影響を受け大学の卒論テーマにも選択
女性セブン
ともに二世落語家という共通点も(左から三遊亭王楽、林家正蔵)
【過去に確執も手打ちか】三遊亭王楽「七代目円楽襲名披露興行」に父・好楽の“因縁の相手”林家正蔵が出演で落語界も騒然
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《慶應SFC時代の “一軍女子”素顔》折田楓氏がPR会社を創業するに至った背景「女子アナ友人とプリクラ撮影」「マスコミ志望だった」
NEWSポストセブン
SNS上だけでなく、実生活でも在日クルド人への排斥デモやヘイトスピーチが目立つようになっている(店舗SNSより)
「日本人は大好きだけど、もう限界です…」『ハッピーケバブ』在日クルド人の社長が悲鳴、親日感情をへし折る\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"ヘイト行為\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"の実態「理由もないのにパトカーを呼ばれて…」「脅迫めいた電話が100回以上」
NEWSポストセブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン
折田氏(本人のinstagramより)と斎藤知事(時事通信)
《折田楓社長のPR会社》「コンペで5年連続優勝」の広島市は「絶対に出来レースではありません」と回答 斎藤知事の仕事だけ「ボランティア」に高まる違和感
NEWSポストセブン
中井貴一
中井貴一、好調『ザ・トラベルナース』の相棒・岡田将生の結婚に手を叩いて大喜び、プライベートでゴルフに行くほどの仲の良さ 撮影時には適度な緊張感も
女性セブン
東北楽天イーグルスを退団することを電撃発表し
《楽天退団・田中将大の移籍先を握る》沈黙の年上妻・里田まいの本心「数年前から東京に拠点」自身のブランドも立ち上げ
NEWSポストセブン