涙をながす活動“涙活”(るいかつ)が話題になっているという。泣くことができない、泣かせてほしいという人が増えていると感じ、“涙活”をはじめた涙活プロデューサーの寺井広樹さんはこう話す。
「私は数年前から、離婚するご夫婦のためのセレモニー『離婚式』を企画する仕事をしています。式で大泣きしたふたりが、その後スッキリした顔になり、それぞれの道へ旅立っていく様子を何度も見るなかで、『もしかして、泣くことにはストレス解消効果があるのでは?』と思いはじめたのです」
ストレス研究の第一人者である東邦大学医学部名誉教授・有田秀穂さんは、医学的にも泣くとストレス解消になることが実証されていると話す。
「人は起きているとき、交感神経が働いていますが、ストレスが加わると、交感神経がさらに興奮状態になり、血圧が上がり、脈も速くなります。ところが、涙を流すと、副交感神経が優位なほうにスイッチが切り替わり、自律神経のバランスがうまく取れるようになり、リラックスするようです」
しかも、1か月に2~3分涙を流すだけで、長時間睡眠を取るよりも効果があるのだという。
「つまり泣くのは、時短ストレス解消法なんです。できれば、ストレスがたまっている、朝よりも夜、平日よりも週末、意識的に涙を流しましょう。泣くのは恥ずかしいことではない。ストレスの多い現代社会でこそ“涙活”は大切です。映画でも漫画でも何でもいいので、涙を流すことを積極的に行ってほしいですね」(寺井さん)
※女性セブン2014年1月23日号