妻が思う以上に、夫は妻のことを思い、そして感謝している──。今年結婚40年目を迎えた武田鉄矢(64才)が、普段口に出しては言えない妻・節子さんへの思いを手紙にしたためた。
“あなたの一番美しかった
あの笑顔を 世界でただひとつ
思い出せる、それが私です
節子へ
鉄矢より”
改めて、武田鉄矢が夫婦のあり方について考えるきっかけとなったのが、2年前に心臓疾患の手術を受けたときだった。
「手術後、お風呂ひとつまともに入れないぼくの背中を流すとき、妻は、ぼくと結婚した21才のときに思ったことを思い出したそうです。“私はいつかこの人のおしめを変える日がくる”と。彼女はいつも先を見ている人なんですが、その言葉を聞かされたときに、ぼくは妻のすごさを改めて知りました」
60才を過ぎ、人生の秋ともいうべき時期に差しかかったとき、武田の脳裏には、次のことがよぎったという。
「ぼくたち夫婦は、大まかなところの価値観は合っているけれど、細かいところではずれもある。でも、それでいいと思います。夫婦は、列車でいえば隣同士よりも向かい合わせに座ったほうがうまくいく。ぼくよりも、はるかに彼女は先の方向を見ています。だから、21才の娘が、ぼくの老後をありありと想像できたのでしょう。
でもね、夫としての役割があるとしたら、ぼくは出会ったときの妻の美しかった姿を、彼女の親以上に鮮明に思い出せることだと思います。それがぼくの役割であり、最大の誇りではないかな」
※女性セブン2014年1月23日号