再び実現した生ける伝説、400勝投手・金田正一氏と球界きっての理論派・桑田真澄氏の対論。話は強打者への対峙の仕方について展開した。
──2013年はバレンティンが本塁打記録を更新して話題になった。2人ならどう抑えたか。
桑田:力でねじ伏せようとしてもダメ。日本の球場は狭いから、詰まってもスタンドまで持って行かれると思います。アウトローで抑えるしかない。実際、アウトローは打てないというデータがありますからね。あるいは金田さんのような、キレのある変化球で抑えるかどちらかですね。
金田:ワシのカーブには手が出ないよ。しかしあの程度の外国人に、なぜ打たれるのか不思議でしょうがない。結局、これも体を開いて投げるからだろうな。
体を閉じて、一度インコースに向かっていかないと。そこからアウトコースに投げれば、腰を引いてしまって打てないよ。それをコースだけで投げようとするから踏み込まれてしまうんだ。
桑田:打たれているのはほとんど真ん中周辺。金田さんのおっしゃる通り、体を開いて投げるから、シュート回転して真ん中に入っていくんですよね。
──バレ砲は怖くない?
金田:だから、あんなヘッポコの何が怖いんだ。
※週刊ポスト2014年1月17日号