中国の最高指導者、習近平国家主席が30代のころ、執務室で左手にタバコをもって、にこやかに微笑んでいる写真が中国メディアに登場し、話題を呼んでいる。写真を見ると、習氏は喫煙者だったということになるが、この写真は以前にも国営通信社の新華社電が配信した写真をほとんど同じで、違うのは左手のタバコだけ。このため、写真は偽造で、中国政府が最近展開している禁煙キャンペーンに反発したものではないかとの“疑惑”が浮上している。
この写真は習氏が1985年、32歳のとき赴任した河北省正定県の中国共産党委員会書記時代のもので、緑色の質素な人民服を着た習氏が机の前で椅子に座り、右手にペンを握り、左手の人差し指と中指の間にタバコをはさんで微笑んでいるというもの。
ところが、以前新華社が配信した写真には左手のタバコは写っていない。このため、この写真をみた読者から、「習主席はもともとスモーカーだったのか」とか「まるで今のイメージと合わない」「これは偽造では?」とのコメントが寄せられ、大騒ぎになっている。
中国では現在、禁煙キャンペーンの最中だけに、習氏がタバコをもっているような写真を発表すれば、マイナスのイメージになるのは間違いないだけに、「どうもおかしい」というわけだ。
このため、ネットでは「中国政府の国家タバコ専売局(かつての日本の専売公社に相当)の回し者の仕業ではないか」などとの書き込みが出ている。
ちなみに、中国政府の発表によると、中国の喫煙人口は3億人で、世界の総喫煙人口の3分の1を占めるともいわれており、これは世界一にあたる。また、7億人が受動喫煙の被害を受け、タバコが原因で年間約120万人が死亡しているという。