1月5日にスタートした大河ドラマ『軍師官兵衛』(NHK)。豊臣秀吉の参謀役・黒田官兵衛の生涯を描いた作品だが、「軍師」というと、主君の隣で作戦を練り、指示を出しているだけで自らは動かないイメージがある。その軍師像を、V6のメンバー・岡田准一(33才)が演じることで覆したいとチーフプロデューサーの中村高志さんは言う。
「人の弱みを探したり、裏をかこうとする。そのせいか、官兵衛は目つきが悪く暗い雰囲気に描かれがちなんです。でも若いころは戦の最前線に立ち、自らつっこんでいくという一途さがありました。だから岡田さんには、アクティブな官兵衛を演じてもらいたいんです」(中村さん・以下「」内同)
岡田といえば、ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)で、犯罪者やテロリストを相手に派手なアクションを演じたのが記憶に新しい。今回も、殺陣や馬に乗って駆けるシーンに体当たりで挑戦している。中村さんが岡田の運動能力の高さに思わず感嘆の声を漏らしたのは落馬のシーンだった。
「そんな危険極まる撮影も、岡田さん自らが『ぼくがやる』と。スタントマンが演じると、顔が映り込まないようにと、どうしてもカメラアングルが窮屈になります。しかし、岡田さんが自ら演じているので、より臨場感のある映像になりました」
この落馬のシーン、実際は何度も撮り直しすることになってしまい、ケガでもされたら困ると内心ひやひやだったと中村さんは振り返る。戦国の物語は、男性を中心に描かれることが多く、どちらかといえば、女性は二の次になりがち。しかし、中村さんは「今作では女性の姿もしっかりと描きたい」と力強く話す。
「官兵衛は戦の最中、『姫路を守りたい』という思いで戦っているわけですが、その姫路には守るべき女性がいる。歴史の表舞台には出てきませんが、その人となりや生き方を語るうえで、女性の存在は非常に大きかったはずです」
さらに中村さんは「純愛ドラマという一面もあります」と続ける。初恋の女性との実らぬ恋と悲しい別れ。中谷美紀(37才)演じる妻・光との運命的な出会い…。
「複数の妻を持ち、跡継ぎを多く作ろうとする戦国時代には珍しく、官兵衛は光のみを生涯愛し続けたといわれています」
※女性セブン2014年1月23日号