2014年の日本外交にとって、大きな課題となるのは日韓関係にほかならない。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と評論家の呉善花氏が、訪問先で日本批判を繰り返す朴槿惠(パククネ)大統領の“告げ口外交”について語り合った。
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櫻井:朴大統領は米国、ロシア、ヨーロッパなど、訪問先でことごとく日本非難を繰り返しました。その“告げ口外交”に各国で疑問の声が高まっていて、逆効果です。
呉:国のトップが、言ってはいけない場所で言ってはいけないことを言う。日本人の美意識からすればとんでもないことです。
しかし「美意識に反する」という価値観は韓国人にはありません。朴大統領にも、自分がみっともないことをしているという発想はないでしょうね。
櫻井:なるほど、美意識に反するという意識がないのですか。それで強硬な反日を続けて観光客が激減するなど実害が出始めています。
完全に解決済みの戦時徴用工について次々と訴訟が提起され、日本企業側が敗訴しています。さすがに経団連が業を煮やして、「この状態が続けば韓国への投資が冷え込む」と声明を出しました。そのことで韓国経済界は大変な危機感を覚えたと聞きます。
呉:これまで日本は、そのような強い姿勢に出ませんでした。日本が何も言わないから甘えてきたのです。
今回の経団連のメッセージは非常に強い姿勢です。強く言われたから危機感を持っているのです。だから最近は中国に擦り寄って甘えようという動きも見られます。
※SAPIO2014年2月号