年始にネット上で大きな論争を呼んだのが、新幹線で泣く赤ちゃんに対して舌打ちをした女性がいた件に関し、堀江貴文氏が「舌打ちくらいいいんじゃないかと思ったりする」とツイートしたことだ。
その後、米国では赤ちゃんに睡眠薬を使用することもあるという意見が登場し、これに賛同した堀江氏に批判が殺到した。泣き叫ぶ赤ちゃん、大騒ぎする子供。その声が車両中に響きわたるなか、その他の乗客はただ黙って耐え、寝たふりをするばかり……今後もそうした光景が続くのか。そこで画期的な提案をするのが、評論家の呉智英氏である。
呉氏は「当然、子供は大事である」を前提に、新幹線という公共交通機関には社会的なルールやマナーが厳然と存在しているとし、次のように提案する。
「現在、新幹線には喫煙者用の喫煙車両があるのだから、赤ちゃんが泣いても、小さな子供がぐずってもいいような『子育て専用車両』を設けてはどうか。その際には、赤ちゃんや未就学児にも何らかの料金を課せば、周囲も納得できるはず。すぐには常設が難しいということなら、盆暮れの帰省時期だけでも設けてみては」
たしかに、ただ「親が悪い」「周囲が我慢すべき」と言い合いをくり返しても、結局は何も変わらない。乳幼児を持つ親も、周囲の乗客も、新幹線や飛行機で移動するたびにストレスがたまる現状は、社会の大きな損失のはず。今回の騒動を機に、具体的な策を論じるべきではあるまいか。
※週刊ポスト2014年1月24日号