昨年末に日経平均が1万6000円台に乗り、年明けも上々のすべり出しを見せた今、年内の「2万円」という大台はきわめて現実的な目標となった。安倍政権のなりふり構わぬインフレ&円安政策の中で、どのような株が上がるのか。
いうまでもなく、インフレではモノの価値が上がり、カネの価値が下がる。東京海上アセットマネジメント投信のチーフファンドマネージャー・平山賢一氏が語る。
「モノの値段が上がるので、確かな価値があるモノを持っている企業は強い。実際、過去の米国のインフレ時に、物価上昇率を上回るパフォーマンスを見せたのが資源・エネルギー関連銘柄です。そこで今、『ガス田』『油田』『レアメタル全般の鉱脈』を持っている、あるいは開発に携わっている企業が注目だと思われます」
株の場合、銘柄によっては年末までに大化けして資産倍増も夢ではないというのが、カブドットコム証券のマーケットストラテジスト・河合達憲氏だ。
「資源・エネルギー関連でいえば、代表的な銘柄は大手商社です。でも、最も値上がりが期待できそうなのが、その資源やエネルギーの値上がりに加え、火力発電の存在感の高まりによってビジネスチャンスが拡大するプラント関連でしょう。銘柄としては、IHI(7013)、千代田化工建設(6366)、三菱重工業(7011)、日揮(1963)などが挙げられます」
また、インフレ時には不動産価格の値上がりが期待できるが、不動産関連株はどうか。
「すでに大手不動産株は高くなっています。今仕込むなら、含み資産として不動産をたくさん持っている、いわゆる土地持ち企業株がお勧めです。中でも、大幅な値上がりが予想されるのが、比較的知名度の低い地味な企業。銘柄としては、昭和飛行機工業(7404)、東京テアトル(9633)が挙げられます」(河合氏)
インフレ時は資産を持っている人はより豊かになり、高額なものは値上げしても売れる。そこで、人気のある世界的なブランドの株価も上がる傾向がある。
「そうした企業は日本にもありますが、やはり圧倒的に欧米に多い。米国株であれば、日本のネット証券で簡単に買えます。ヨーロッパであれば、世界のブランド企業に投資する投資信託『ブランド・ファンド』が日本でも複数あります。どの企業が良いか迷う場合は、とりあえず自分の好きなブランドを買えばいいでしょう」(前出・平山氏)
※週刊ポスト2014年1月24日号