『ジョークで読む国際政治』の著者でジャーナリストの名越健郎氏はジョークに対して造詣が深い。そんな名越氏から、中国の汚職を皮肉ったジョークを紹介してもらった。
■中国が設定した東シナ海の防空識別圏を、米軍爆撃機B52が無通告で飛行した。
中国軍高官が「次回は撃墜もあり得る」と警告すると、米高官が反論した。
「飛行を妨害するなら、中国共産党幹部が米国の銀行に保有する預金リストを公表する」
■中国の農民が突然100万元を手に入れて話題になった。農民が友人に理由を説明した。
「ある日、拾った携帯電話にメールが入り、『局長、例の件で銀行口座をお知らせください』と書かれていたので、自分の銀行口座を返信したんだ」
■汚職、腐敗、権力乱用で悪名高い中国の市長がマフィアに誘拐され、市役所に要求が届いた。
「身代金を1億元支払え。さもないと、市長をガソリンで焼き殺す」
副市長が決断した。
「仕方がない。ガソリンを10リットル送ろう」
以上は現在、中国のネットや携帯メールで流布しているチャイナジョーク。中国のネット上では、庶民によるアップとインターネット警察による削除のいたちごっこが続いている。ソ連邦崩壊前夜のロシアでアネクドート(小咄)が隆盛を極めたことを彷彿させる。
※SAPIO2014年2月号