アクリフーズ群馬工場で発生した冷凍食品への農業混入事件。同工場で製造された冷凍食品から、農薬のマラチオンが検出されたことが公表された。冷凍食品は家族の食卓に上ることも多いが、われわれが具体的に取るべき対策とは――家族の安全を守るために不可欠な冷凍食品“鉄則”を識者に聞いた。
冷凍食品には保存料を使っていない商品もある。一度、解凍したものを再冷凍したり、常温で放置すると雑菌が生じる可能性がある。
袋の中の食品の周囲に霜や氷がたくさんついている場合、温度が上がり、解凍された状態に近づいた証拠なので、食べるのを避けたほうが無難だ。
また、冷凍食品の賞味期限は、製造から1年後とされている商品が多い。賞味期限切れ間近のものが、店頭で叩き売りされている光景もよく目にする。
「賞味期限はあまり気にしません。冷凍保存されてるんだから、期限を過ぎてても平気でしょ」(主婦・54才)というように、冷凍庫にさえ入れておけば「いつまでも食べられる」と誤解している人もいる。
しかし、ある冷凍食品メーカーの関係者は、「賞味期限が過ぎれば、品質や味が劣化している可能性もある」と話す。
冷凍食品は、マイナス18℃以下で保管されたもののことだが、家庭用の冷凍庫はドアの開閉回数が多く、外気を取り入れるため、品質を維持するマイナス18℃を保つことが難しい。消費者問題研究所代表・垣田達哉さんはこう語る。
「牛乳や卵といった生鮮食品に比べれば可能性は低いですが、食中毒なども考えられます」
食の安全に詳しいジャーナリストの椎名玲さんもこれに続ける。
「家庭に置く日数が経てば経つほど、冷凍食品に含まれる油が酸化して、味が落ちることが考えられます。揚げ物だけでなく肉のミンチや、麺同士がくっつかないようパスタなどにも油が使われているので注意が必要です。必ず賞味期限内に食べきりましょう」
冷凍のいかやえび、帆立などが入ったシーフードミックスは、調理前のひと手間を忘れずに。
「シーフード系は中国産が多く、抗菌剤などで汚染されている可能性があります。食べる前に必ず流水でしっかりと洗いましょう」(椎名さん)
なお、ほうれん草などの葉ものや自然解凍をする商品は、水洗いすると風味が落ちる恐れがあるので、気をつけよう。
※女性セブン2014年1月30日号