東京都知事選に突如旋風を巻き起こした細川護熙氏と小泉純一郎氏の“元首相連合”。では、細川都知事が誕生すると何が起きるのか。細川都知事が五輪関連でまず着手するのは、大会組織委員会会長の“更迭”だろう。
今月14日に森喜朗・元首相の五輪組織委会長就任が決まった。細川氏はこれに異を唱えているという。
「森さんは細川さんが出馬を表明する前から『細川さんは卑怯だ』などと批判の急先鋒に立っていた。森さんを会長に据えるという人事は完全に安倍官邸が描いた人事。五輪準備の最高責任者である組織委会長は利権を一手に握ることになる。安倍官邸の狙いはそこだ。しかし開催都市の最高責任者が不在の間に組織委会長を決めるのはいくらなんでもおかしい。森さんこそ卑怯じゃないか」(細川氏側近)
森氏は24日に開かれる理事会で正式就任となるが、細川氏が都知事になればこの人事を白紙に戻すことは可能だという。
「五輪準備では人材も資金も東京都が中心。細川さんが、『森さんが会長をやりたいならやればいい。ただし、都は一切協力しない』と宣言すれば、森さんも何もできなくなり辞退せざるを得ない」(都庁職員)
そもそも森氏の会長就任は、人事に反対していた猪瀬直樹前知事の辞任という間隙をついた“火事場泥棒”という面は否めない。新都知事の出方ひとつで安倍官邸の“五輪利権強奪計画”は簡単にひっくり返されることになる。
※週刊ポスト2014年1月31日号