「脱原発」を掲げ、細川護熙・元首相が、小泉純一郎・元首相の支援を受け、東京都知事選(2月9日投開票)への立候補を表明した。
原発推進を“社是”とする読売新聞は社説で〈そもそも原子力発電は、国のエネルギー政策の根幹にかかわる問題だ。脱原発を都知事選の争点にしようとするのは疑問である〉(1月13日付)と書いた。
だが、安倍晋三首相は筋金入りの原発推進派であり、国民はそれに反対したくても、当分、国政選挙で意思を表明する機会はない。その意味で、1000万有権者が投票する都知事選は原発政策を問う絶好の機会である。
国の政策を都知事選で問うのはおかしいという論理からすれば、かつて石原慎太郎・元都知事が東京都による尖閣諸島購入を打ち出した時、批判していなければおかしい。
しかし、読売は社説で石原発言を〈「東京が尖閣諸島を守る」という石原氏が、国の領土保全のあり方に重要な一石を投じたと言える〉(2012年4月19日付)と評価していた。
※週刊ポスト2014年1月31日号