「告げ口外交」を行なう朴大統領の影響もあり、日本では「嫌韓」の風潮も広がりつつある。だが、韓国との付き合い方に悩んでいるのは日本だけではない。タイもそうだ。
「仏教国のタイでは、何よりも礼節が重んじられます。しかし、旅行やビジネスでタイを訪れる韓国人はわれわれを『発展途上国の貧しい人間』と見下しているフシがある。レストランや居酒屋で周囲の迷惑も顧みず大騒ぎをしたり、支払いで揉めるのも韓国人と相場は決まっています」
そう話すのは、首都・バンコクの旅行会社勤務のソムチャイさん(仮名・男性)だ。タイを訪問する韓国人は年々増え続け、2012年は117万人を記録。この10年で2倍以上に増えた。韓流ドラマやK-POPも浸透し、アジアでは比較的、親韓派が多い国と言われてきた。
2012年1月、そんな親韓ムードに水を差す事件が起きた。タイ・ネットメディアの取材に答えた韓国人男性アイドルグループ「Block B」が、800人以上の死者が出た2011年のタイ洪水を嘲笑する発言をしたのだ。
「タイの皆さんに金銭的な援助をお手伝いできるのなら、7000ウォン(約700円)ほど寄付したい」
メンバーが笑いながら話す様子はたちまちネット上に拡散。テレビや新聞でも報じられて大問題に発展した。
「メンバーは後に謝罪しましたが、タイの全国民を敵に回したといっても過言ではない。若い世代の韓流離れが加速するなど、嫌韓が広がりました」(前出・ソムチャイさん)
※SAPIO2014年2月号