新ポスティングシステムでのMLB移籍を目指していた田中将大(25)が、ヤンキースに入団することが決まった。7年契約で総額1億5500万ドル(約161億円)。昨年12月のウインターミーティングの段階から、入札金と契約金の合計が1億ドル(約104億円)を超えることは確実視されていたが、そうした事前予想を上回る巨額契約だ。だが、課せられるノルマは当然、厳しくなる。ベテランMLB記者が語る。
「1億ドル契約を結ぶのは、大都市球団のスーパースター投手だけ。チーム1番手、2番手の働きを要求されるのは当然です。松坂大輔やダルビッシュ有の移籍時(それぞれ6年5200万ドル、6年6000万ドル)の2倍以上のカネを受け取るのであれば、彼らの1年目の成績を超えることを求められる(松坂は15勝、ダルビッシュは16勝)。そうでなければメディアやファンからのブーイングを浴びるだろう」(ベテランMLB記者)
しかも、メジャー屈指の人気球団ヤンキースだけに、そのハードルはさらに上がる。
「ヤンキースが所属するア・リーグ東地区はメジャー最激戦区でレベルが高い。また、世界一奪還が至上命題のヤンキースなら、ポストシーズンでの活躍も期待されるでしょう」(同前)
とはいえ、2年前に黒田博樹がドジャースからヤンキースに移籍した際に年俸が大幅アップしたように、年俸の上がり幅は西海岸の球団と比べて東海岸のほうが一般的に大きい。25歳のマー君が順調に活躍すれば、FA権を得る6年後には、投手最高年俸の更新も夢ではない。「カネ」と「ノルマ」のバランス次第で、マー君のメジャー人生は大きく変わってくる。
※週刊ポスト2014年1月31日号