4月からいよいよ8%に引き上げられる消費税。それまでに駆け込みで済ませる買い物にしても限度があり、アベノミクス効果やベースアップも不透明――そのため大なり小なり家計に打撃を与えることに、悩みを抱える人も多い。そこで、今からでも手軽に取り入れられ、効果の高い節約術はないか? 専門家に話を聞いた。
「女性、特に主婦の方に実践している節約術をお聞きすると“切り詰めるならまず食費!”という答えが圧倒的に多く、もやしのアレンジメニューに工夫を凝らしたり、折込チラシを比較して1円でも安い卵を探すなど、地道な努力をしている方が多いことがわかります。
でも現在の家計において、携帯電話やスマートフォン(以下、携帯、スマホ)の登場で急激に増加しているのは通信費。総務省の通信統計データベースによると、LTEプランを利用しているスマホユーザーの月額支払い料金は平均7564円で、家族が4人いたとすれば約3万円となります。固定電話だけの時代は家庭全体の通信費の平均が3000円前後だったので、約10倍になっているわけです。通信費の節約が、実は家計見直しの最大のポイントになる可能性があります」と語るのは、節約アドバイザー・家事アドバイザーの矢野きくのさんだ。
LTEプランとは、2010年にサービスが開始された次世代通信規格で、従来の3G回線のデータ通信速度をさらに高速化したもの。携帯通信各社は競ってLTEプランを売り出し、スマホ人気とともに一気に普及した。
スマホ時代の今、食費や光熱費より、通信費の増大がますます家計を圧迫しているのに、多くの家庭では通信費についてあまり対策をしていない。特に女性の場合は「携帯やスマホの料金は、複雑すぎてどうしたら安くできるかわからないから、手をつけられない」という人も多い。
「LTEでは、定額のパケットし放題プランなどに目が行きがちですが、実は高くなるのは通話料の方。ドコモとauでは1時間あった無料通話がなくなっています。そこで注目したいのが通話料を節約できるIP電話アプリです。既に『LINE』などのインスタントメッセージ機能のあるアプリは大流行していますが、残念ながら通話に利用している人はまだまだ少ない。また、同じアプリを利用している人同士は無料であっても、アプリ利用者以外とは無料通話できませんし、固定電話への通話料金は割高になるといったデメリットがあるケースもあります。
そうしたIP電話アプリのなかで、私のオススメは『050 plus』。同じアプリ利用者以外への通話も可能なアプリの中で、固定電話への通話が8.4円/3分、携帯電話への通話が50.4円/3分と断トツで安い。アプリを使わなかった場合のLTE回線のスマホ通話料金は、ドコモ、au、ソフトバンクともに126円/3分、固定電話から固定電話への市内通話でも8.5円/3分なので、その安さがわかります。
“スマホから固定電話への通話なんてそんなにしないけど……”と思う人もいるかもしれません。でも、女性なら携帯が苦手な実家の両親と長電話したり、男性なら会社や宴会の予約をしたりなど、スマホから固定電話への通話は意外と多いもの。食費を切り詰める前に、まずは通信費や通話料金について、意識することが節約の第一歩です」(矢野さん)