日本原産のくだもの、温州みかんの消費量が激減している。1980年には1人当たり年に14.0キロ食べていたのが2009年には5.0キロに、1世帯当たりの支出金額も1990年には9334円だったのが2012年には4480円と半分以下になった。くだもの消費量ランキングでは2004年からバナナに抜かれて1位の座を明け渡したままだ。日本人はみかんが嫌いになったのだろうか?
NPO法人青果物健康推進協会の事務局長、近藤卓志さんによれば、くだもの離れが著しいと言われる若者たちも、みかんは嫌いではないはずだという。
「若い人も含め日本人は繊細な甘さをもつみかんが好きだと思いますよ。セミナーや講習で大学へも行きますが、皆さんみかんは好きだと言います。ただ、あれば食べるけれども買って食べようとしないようです」
若者のくだもの離れについては皮をむくのが面倒なことが理由にあげられるが、みかんについては少し事情が違うらしい。というのも、みかんの次に古くから日本人に親しまれてきた果物のひとつ、リンゴはそれほど大きく消費を減らしていないからだ。
農林水産省の統計によれば、リンゴの収穫量は約30年前のピーク時に100万トン弱で現在は80万トン弱。対してみかんは1975年の最盛期は366万5000トンも収穫していたが、2012年は84万6300トンと約80%も減らしている。
もし皮むきが面倒だというならば、包丁やナイフを使わねばならないリンゴのほうが敬遠されるはずなのに、なぜなのか。