縁起の良い会で、レギュラー奪取を宣言――1月19日、神奈川県川崎市で開催された『川崎野球人の集い』では、地元に縁のある元プロ野球選手や野球関係者などが集まり、親交を温めた。この会には、川崎市出身で、オフに中日を自由契約となり、巨人入りした井端弘和も参加。会の前には、川崎市の野球少年育成のために、みずから創設した『井端弘和杯』の表彰式も行なった。
会が始まると、テーブルごとに席が割り当てられているにもかかわらず、井端のもとにはサインや写真を求めるファンが殺到。ひとりひとりに丁寧に「巨人」と新背番号「2」を記しながら、2時間以上にわたり、嫌がる素振りひとつ見せることなく、新しいサインを書き続けた。終盤を迎えると、壇上に上がり、抱負を述べた。
「中日ドラゴンズから読売ジャイアンツに移籍した井端です。今年で39歳になるのですが、この年で契約してくれる球団があるのはありがたいことです」と挨拶すると、「坂本(勇人)選手、片岡(治大)選手に負けないようにしっかりアピールして、開幕で(ポジションを)獲るのは難しいかもしれませんが、終わるころにはレギュラーを獲っているように頑張ります。僕ら新戦力が入ったことで、日本一を奪取します」と宣言。
同会場には、かつて“スーパーカートリオ”の一員として名を馳せ、現在はSLカメラマンとしても活動している屋鋪要氏(元大洋、巨人)もいた。司会者から井端への激励メッセージを求められると、「大洋時代に2年間だけ川崎に住んでいました」と会場を盛り上げ、「僕も1993年に大洋を自由契約になり、巨人に入団して、その年に日本一になりました。ぜひ井端選手も、日本一になってほしい」と当時の自分の境遇と重ね合わせ、井端にエールを送った。
実は昨年、井端はこの会でWBCに向けて「最初は控えかもしれませんが、最終的にはレギュラーを獲ります」と語っていた。この言葉が現実となり、日本代表の3番に定着し、2次ラウンド進出の立役者となった。はたして巨人ではどうなるか。スポーツ紙野球担当記者が語る。
「ショートにはチームの顔である坂本勇人、セカンドには西武からFAした片岡治大が控えるため、たしかに開幕からポジションを奪うのは難しいかもしれません。坂本は2年目から1年を除き、フル試合出場を続けています。ただ、昔と比べ、シーズン自体が長くなったし、疲労は確実に蓄積されている。昨年の不振は、WBC参加の影響も少なからずあったでしょう。
片岡はケガの連続で、ここ3年は100試合以上出場を果たしていない。チャンスは十分にあるし、もともと大卒のドラフト5位から這い上がった井端ですから、本当にシーズン終盤にはレギュラーに定着している可能性は十分にあります」
縁起の良い会でのレギュラー奪取宣言。今年も有言実行となるか。