朝の情報番組の名前に意外な傾向があるのをご存じだろうか。『ZIP!』『グッド!モーニング』『朝ズバッ!』『スッキリ!!』『モーニングバード!』『とくダネ!』『ノンストップ!』『PON!』…。“!”がつく番組がとにかく多いのだ。これはバラエティーやドラマと比べても明らかだ。
そもそも、番組名は、誰がどのように決めるのだろうか。元テレビプロデューサーで、上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義さんはこう語る。
「最終的な決定権はプロデューサーにあります。プロデューサーが独断で決めるときもあれば、構成作家たちの意見を聞いたりして、最後にプロデューサーがジャッジすることもあります。タイトルは番組の顔なので、何百という候補を並べたりもします」(碓井さん・以下「」内同)
その中から、朝の情報番組では!がつく名前が多いのはなぜだろうか?
「番組名に、強さというか弾みをつける、ということに尽きます。テレビ欄の関係もあると思います。情報番組はテレビ欄に視聴者の目を引く内容項目を盛り込みたいため、長い番組名でスペースを割きたくない。そのため、短くてインパクトのある名前が求められるのです。また、朝の情報番組は、視聴率戦争が激しいので他局の番組に一歩でもリードしたいという事情もありますから、そうした前のめりの意識が!に表れているのかもしれません」
番組名だけ見ても、中身がわからないニュースや情報番組というのは、最近の傾向だと、碓井さんは指摘する。
「『報道特集』『News23』や、すでに放送終了していますが『きょうの出来事』などは、番組名を見れば、報道番組だということはわかりますよね。『ノンストップ!』『PON!』『ZIP!』などは、名前だけじゃ番組の内容はわからない。ニュースや情報番組でも、内容が伝わらなくてもインパクト重視で番組名をつけるというのが最近の傾向だと思います。そうした流れの中で!をつける番組が増えてきているのではないでしょうか」