今年80才になられる皇后・美智子さま。皇室に嫁がれた際の“ミッチーブーム”から50年以上の年月が経った今も、当時と変わらぬエレガントな美貌を保たれている。その陰に、今は亡きあるカリスマ美容家との交流があった。
美智子さまが密かに交流を深められていたのは、昨年3月に肺がんのために亡くなったカリスマヘアメイクアップアーティストの田中宥久子(ゆくこ)さん(享年67)だ。
おふたりの交流を、田中さんから直々にマッサージ法を受け継ぎ、公私ともに親しくしていたエステティックサロン『グランモア』のオーナー・井上知子さんが話す。
「6年ほど前からでしょうか、先生は皇居に招かれて、美智子さまに“造顔マッサージ”を施していたんです。先生が皇居へ上がられる前には、“美智子さまはマッサージとクリームを楽しみにしていてくださるのよ”と、いつも嬉しそうに話していたのを、昨日のことのように思い出します」
1946年、学者の父と日本舞踊の名取の母との間に生まれた田中さんは、18才で山野美容学校に入学。卒業後はフリーのヘアメイクアップアーティストとして活動を始めた。結婚後、2人の娘に恵まれると、田中さんは一度、“美”の世界から離れ、専業主婦に。しかし、仕事への情熱を捨てきれなかった彼女が復帰を目指すと、「女性は家庭に入るべき」という考えの夫と思いが食い違い、結局は離婚してしまう。
「復帰後は“女性をもっと美しく輝かせたい”と15年以上の歳月をかけて、本来の顔の美しさを引き出す“造顔マッサージ”を編み出したのです」(美容ジャーナリスト)
田中さんが考案した“造顔マッサージ”は、それまでの常識を覆す画期的な美容法だった。
「従来の美容界では、顔は優しくくるくると撫でるようなマッサージが当たり前でした。しかし、田中さんのメソッドは顔全体を強くなぞるものだったんです」(前出・美容ジャーナリスト)
このメソッドの狙いは、顔の表面ではなく筋肉そのものをマッサージして鍛え、余分な脂肪や老廃物を落とすこと。わずか数分のマッサージでも即効性が非常に高く、目元やあご先がすっきりし、全体的に小顔になるという。
2007年には、実際に田中さんが施術を行うサロンがオープン。入会金50万円に、1回の施術料5万2500円という超高額にもかかわらず多くの人が行列をなした。その中には著名人も多く、黒柳徹子(80才)、安藤優子(55才)、林真理子さん(59才)、郷ひろみ(58才)などのビッグネームが田中さんの“造顔マッサージ”を求めた。
こうして田中さんは“美容界のカリスマ”として脚光を浴びることになるが、美智子さまも田中さんの施術を待ちわびるおひとりだったのだ。
※女性セブン2014年2月6日号