舛添要一元厚労相と細川護熙元首相が激しく争う東京都知事選挙。選挙戦最終盤に続けて細川陣営が投入する“隠し球”が、キャロライン・ケネディ駐日大使だ。
とはいえ、駐日大使が直接、都知事選の応援に立つわけではない。ほとんど知られていないが、細川氏とケネディ家は、知的障害者の競技大会「スペシャルオリンピックス(SP)夏季世界大会」で、深い繋がりを持っているのである。
SPは4年に1度、夏季五輪の前年に世界大会が開かれており、「スペシャルオリンピックス日本」(SP日本。有森裕子・理事長)は東京五輪後の2023年夏季大会招致を目指すことを検討している。成功すれば、五輪、パラリンピックと3つの大会が続けて東京で開催される。
このSPの創設者はジョン・F・ケネディ大統領の妹のユーニス・ケネディ氏であり、ケネディ家が全面的にバックアップしてきた。現在はキャロライン氏の従兄弟、ティモシー・シュライバー氏が国際本部会長を務めている。
一方、SP日本の創立者で、現在、名誉会長を務めているのが細川氏の佳代子夫人なのである。
佳代子夫人は都知事選でも、東京・狛江市で行なわれた知的障害者を対象にした演説会(1月20日)で夫の代理として壇上にあがり、「原発に代わる、自然のクリーンなエネルギーを一刻も早く、ちゃんと稼働できるように、みんなで知恵を出して作っていくべき」と演説している。
細川陣営幹部は、「選挙戦で無党派層と並んで重視しているのが女性票だ。そこは夫人が前面に立って掘り起こす体制になっている。その夫人が熱心に取り組んでいるSPの誘致には、選対としても注目している」と色気を隠さない。
投開票日の1週間前の週末、キャロライン大使が「日本のSP夏季大会の招致を応援したい」と表明し、佳代子夫人と行動を共にするようなことがあれば、細川氏への強力な援護射撃になることは間違いない。
※週刊ポスト2014年2月7日号