2014年の日本外交にとって、大きな課題となるのは日韓関係だ。韓国は一層反日を強め、中国とも連携を図る姿勢のようにも見えるが、実際はどうなのか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と評論家の呉善花氏が分析する。
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呉:韓国がいくら擦り寄っても、中国は絶対に韓国を「対等な国」とは見ないでしょう。朝鮮半島を取り込もうというのが中国の狙いです。しかし南北統一は絶対にさせない。利用するだけ利用して、いつも裏切るのが中国です。今の韓国はその罠にまんまと嵌っているように見えます。
櫻井:それでも中国が防空識別圏に(韓国が領有権を主張している)離於(イオ)島を含めたことで、韓国に警戒感が生まれ始めていますか。韓国が突如、TPP(環太平洋経済連携協定)に参加したいと表明したことも、中国と距離を置いて日米の側に来たいという考えでしょうか。
呉:これだけ反日を煽っただけに、急に日本側につくのは難しい面もあると思います。「やはり日本は大切な隣国だ」と言い出したら、日本人は韓国を許せるでしょうか。
櫻井:朴槿惠(パククネ)大統領の登場で、日本人の対韓感情が害されたことはたしかです。しかし、「国益のため、韓国とは同じ方向を向く必要がある」と言えば、感情論では素直に頷けなくても、納得する日本人は多いと思います。日本人には感情と理性の区別はつきますから。
呉:それが日本人の精神性ですね。しかし逆にそのことが韓国を甘やかしてしまう。 私は韓国を受け入れるにしても、彼らの我が儘な言い分に乗らず、毅然とした態度を見せ続けるべきだと考えます。
韓国人は交通事故を起こすと、まず「お前が悪い」と相手を責めます。その時、少しでも謝ったらすべてこちらが悪いことにされてしまいます。譲歩できない部分では毅然とした態度を取りながら、外交では協力しましょうという態度に徹したほうがいいと思います。
櫻井:その通りですね。慰安婦問題にしても、やってもいない強制連行を世界中に喧伝され、間違ったイメージを広められている。韓国に対してはもちろん、国際社会に向けても、しっかり言うべきことは言わなければいけません。
呉:日韓関係は、後になればなるほどこじれていくと思います。その場しのぎで謝っていたら、問題は永遠に解決しません。だから、日本はすぐに毅然とした対処をしなければならない。今が最後のチャンスだと思います。
櫻井:日本は今年がまさに正念場、安倍首相ならやってくれると思います。
※SAPIO2014年2月号