夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回は寄せられたのは、金属メーカー勤務のご主人(50歳)。奥様(49歳)からの突然の「おもてなし」です。
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滝川クリステルの「お・も・て・な・し」プレゼンを見て感動した妻。「忘れてたわ。家族のために頑張ってるアナタへのおもてなしを大切にしなきゃ」。優しくて思いやりのある言葉に嬉しくなりました。
「デスクワークで肩が凝るでしょう」と、簡易マッサージ機をプレゼントしてくれました。続いては「おいしいビールを飲んで!」とビールサーバーも。そして、お風呂はジャグジーになるようにリフォームです。
ジャグジー風呂から上がり、サーバーでビールを飲み、マッサージ機で肩を揉みながらテレビを観ていると、「来日した外国人が驚いたおもてなしランキング」というのをやっていました。1位は「地下鉄の親切過ぎる案内板」で、以下「温水洗浄トイレ」「何でも売ってる自動販売機」「タクシーの自動ドア」の順。ん? これって皆、人からのおもてなしではなく、物や機械だ。
妻のおもてなしも同じ。機械よりは妻に肩を揉んでもらった方がいいし、お風呂で背中を流してくれて、ビールも注いでくれた方がいい。「感動して損したよ。何だよ、物や機械ばかりじゃないか」と文句をいうと、「いいじゃない、アナタも物で私をもてなしてよ。欲しいヴィトンのバッグがあるの」。本物のおもてなしは人なの。この人でなし!
※週刊ポスト2014年1月31日号