4月からの消費税増税と年度末を前に、クルマ販売が熱気を帯びている。11月の東京モーターショーでお披露目されたニューモデルが、続々デビューするなど話題も豊富だ。
なかでも、国内市場はもとよりグローバル市場でも好調なアウディから1月14日に発表され、注目を集めているのが『アウディA3セダン』。世界最大のマーケットセグメントであるCセグメント(コンパクトセダン、クーペ、ハッチバックなど)に投入されるA3スポーツバックの新モデルだ。国内の高級車市場ではここ数年、勢いのあるアウディだが、今回のA3セダンは仮想ライバルとして『スバル レガシィ』を名指しし、より多数を占める国産車購入層をターゲットに新規顧客開拓を狙うという。
こうした輸入車勢の攻勢に対して、国産車メーカーの動きはどうなのか、この時期にぜひチェックしたいおすすめモデルにはどういったものがあるか、専門家に話を聞いた。
「ここ数年、消費者の意識が変化し、“輸入車はこだわり”“軽自動車の黄色ナンバープレートはなんとなく嫌”といったカテゴリーへの先入観が減少し、クルマに対するイメージが全体的にボーダレスになってきています。こうした傾向を受けて、輸入車メーカーでは、例えばフォルクスワーゲンがサザンオールスターズをCMに起用するなど、イメージ戦略でもプレミアム感からフレンドリー感を重視した戦略にチェンジするなどの動きが活発化してきています。
こうなってくると、各メーカーが揃って力を注いでくるのが最大公約数を握れるCセグメント。輸入車も国産車も同じ土俵で勝負ができるので、豊富な選択肢が登場してきています」と解説するのは、自動車評論家として活躍する、カーライフエッセイストの吉田由美さんだ。
国内では「上級コンパクトカークラス」とも呼ばれるCセグメントは、“おしゃれで個性的、高級感もありながら、女性にも扱いやすい手頃なサイズで、値ごろ感のある価格”という特徴がある。車種が多く、選ぶ楽しみも魅力のひとつ。グローバル市場や国内市場でも高級車ブランドとして広く認知されているメルセデス・ベンツやレクサスなども、より購入しやすい価格帯のモデルを投入してきており、憧れブランドの入門モデルとして人気も高い。
「自分を表現できる範囲が広く、実用性もあり、憧れと現実をちょうどいいところで押さえているのがCセグメントです。輸入車では『フォルクスワーゲン ゴルフ』『アウディA3』『メルセデス・ベンツCLA』『ボルボV40』などは、高いデザイン性や走行性、安全性などが魅力。
対する国産車では、人気のスピンドルグリルを新採用し、細部までこだわった作りで新登場した『レクサスCT200h』は、トヨタが蓄積した最先端のハイブリッド技術による高い環境性と経済性、クリーンエネルギー自動車補助金の交付で購入メリットが非常に大きい点もおすすめです。そのほかでは、『スバル レヴォーグ』や、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドとさまざまなタイプが選べる『マツダ アクセラ』などが、注目株でしょう。
昨年末から、マスコミ向けの新車発表会や試乗会が目白押しで、今年は例年にも増して、各自動車メーカーの“3月までの勝負”という意気込みを実感しています。さまざまなニーズに応えることができ、個性豊かなモデルが幅広く揃ったCセグメントだからこそ“自分が感動できる部分があるクルマ”を直感的に選ぶのも、一つの方法。たとえば、結婚を考えて男性を選ぶときに“相手を尊敬できる”かどうかを直感で感じられるか、というのが大事なポイントなのと同じではないでしょうか(笑)」と、美魔女らしいクルマ選び術にも納得だ。