朴槿恵(パク・クネ)大統領を始め、韓国が世界中で慰安婦問題などのデマを流し続けているが、韓国のデタラメな工作を笑って済ませられる時期は過ぎている。大手メディアはほとんど報じないため日本人の多くは知らないが、韓国のアメリカに対する宣伝工作は着実に成果を挙げている。
この1月15日、アメリカ連邦下院が全体会議で通過させた統合歳出法案(予算法案)には、予算とは関係ない内容が含まれていた。それは2007年7月に下院を通過した「慰安婦謝罪決議案」。この決議に基づき、日本政府に謝罪を促すよう、米国務長官に指示するものだった。
なぜ予算法案に慰安婦謝罪決議が盛り込まれたのか。在米ジャーナリストの古森義久氏は、背景をこう語る。
「一連の決議を積極的に働きかけていたのが、下院議員のマイク・ホンダです。この人は日系ですが、在米の中国系抗日組織である『世界抗日戦争史実維護連合会』から資金援助を受け、慰安婦問題や南京大虐殺など、彼らの主張する日本軍の残虐行為を一貫して誇大宣伝してきた人物です」
慰安婦問題については、中国はほとんど無関係のはずである。なぜ中国系の抗日組織が、ホンダ議員を動かして慰安婦問題を追及させるのか。
「実は在米の韓国系組織はしっかりした組織ではなく、小グループでゲリラ的に反日活動を行なっているのが実態。しかし、最近は本国で中韓の結びつきが強くなったことを受け、米国内でも中国系と韓国系の組織が結びついて活動するようになっているのです」(同前)
最近になってようやく日本国内でも問題視されるようになった慰安婦像の設置についても同様だ。カリフォルニア州のグレンデール市に慰安婦像が設置されたときも、このホンダ議員が声明を出し、昨年12月には米カリフォルニア州のクパチーノ市議会で、中国系団体関係者が新たな慰安婦像の設置を提案している。背後で動いているのは中国系の抗日組織だという。
慰安婦像の碑文には、「日本軍が20万人の女性を強制連行して性奴隷にした」とある。この数字はもともと日本と朝鮮で勤労動員された女性の数で慰安婦とは無関係なのだが、アメリカ人がそこまで考えてくれるわけではない。放置しておけば現地の人々にこういった虚偽の記述が真実と受け止められてしまう。
そこで、この1月17日から日本の地方議員団10数人が、全国の地方議員321人の賛同を得て訪米し、グレンデール市に慰安婦像撤去を求める抗議文を提出したのだが、グレンデール市議らは面会を拒絶した。
「それでも日本から議員団が抗議に来たということが相手に伝わっただけでも大きな意味がある。これまで日本の反応はあまりにも鈍すぎた」(前出・古森氏)
中韓は共闘して日本を貶める活動を展開しているわけで、日本側も明確にノーを突きつける活動を地道に続けるほかないのである。
※週刊ポスト2014年2月7日号