12月26日に安倍晋三首相が靖国神社に参拝し、波紋が広がっている。『大東亜論 巨傑誕生篇』を上梓した漫画家・小林よしのり氏が安倍首相の「慰霊の参拝」を批判する。
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安倍首相が靖国参拝をして、保守派の知識人・言論人たちが“これは慰霊の参拝であり、なおかつ不戦の誓いをしているのだから、そのようにアメリカやヨーロッパに説明すればよい”と主張している。
だが、靖国神社は顕彰の施設であって、特段に秀でた英霊たちを「よく戦ってくださいました」と顕彰する、讃える場所だ。「あなたたちの霊を慰めます」などと失礼なことをしてはいけない。そこを根本的にわかっていない。自分の命を投げ出して戦った兵隊たちに対してとてつもない侮辱をすることになってしまう。そのことぐらいは前提にして語ってもらわなくてはいけない。
安倍首相の参拝ひとつをとってみても、「本当の愛国者とは誰なのか」をまったくわかっていない。ものの知識がない。「学者」という名がついている人までそうだ。
本当の愛国者とは何なのか。本当のナショナリズムとは何なのか。単なる嫌韓感情、嫌中感情というものだけでナショナリズムを作り上げて、中韓への反発心で靖国神社に行くような“愛国心”は偽物だ。
本当の愛国者とはどういうものだったか。明治以来の近代化のなかで国家観をどのように持って、どうやって尊王攘夷の思想を持って、脱藩して国を意識してきたか──そういう人たちを描いたのが『大東亜論』だ。
※小林よしのり氏『大東亜論 巨傑誕生篇』特別動画より
■特設サイト(http://sgk.me/1b0HluJ)で小林よしのり氏の動画公開中
■動画フルバージョンはこちら(http://sgk.me/1gsUT6z)