大沢樹生・喜多嶋舞の息子をめぐる件で盛んに報じられているDNA鑑定。これを実際に利用する人はどれくらいいるのだろう。
DNA検査で親子鑑定を行うNPO法人遺伝子情報解析センターの代表理事・山田浩史さんはこう語る。
「昨年4月から活動を始めたばかりなのではっきりとした増減は言えませんが、昨年12月は124件、今年1月は22日までにすでに160件。報道も影響しているのかもしれませんが、今月は多いですね」
依頼者の内訳はというと、母親側が4割で、父親側が4割と互角。残りの2割は、父親側の祖父母だという。
「孫が、自分たちと本当に血がつながっているのかと、嫁のことを疑っているわけです。一方で、女性側の言い分としてよく聞くのは、妊娠時に他の男性と関係を持っていたため、はっきりさせたいというものです」(山田さん)
そういった願望なら、現代に限らず、古い時代にもあったはず。なのに、ここにきて増えて話題になっているのは、鑑定が簡単に、そして安くできるようになったからだ。
遺伝子情報解析センターでは、父子間など、2名間でのDNA鑑定にかかる費用は2万5200円。父母子など3名の鑑定は3万450円となっている。これで長年の疑問が解けるのなら、安いものだ。検査にも、採血などは必要ない。
「検査キットで口腔内の粘膜を摂取するほか、例えば1日履いた靴下とか、爪や毛根を送ってもらうなど、方法はたくさんあります。鑑定にかかる時間は、通常は2週間くらいです。スピード鑑定であれば、検体到着後、5営業日以内で結果をお送りします」(山田さん)
依頼者の中には、鑑定は家族には内緒という人も多い。親子であることが証明されても、疑ったという事実が、その後にしこりを残しかねないからだ。
鑑定結果は、本人しか受け取れないように郵便書留にしたり、目立たないように無地の封筒に入れて送ったりと工夫され、依頼者の手元に届く。
鑑定の結果、親子でなかったとわかる割合は、どれくらいなのか。
「だいたい、2割程度でしょうか。親子関係否定、つまり血のつながりがない、と出ています」(山田さん)
鑑定を依頼する人たちの5組に1組は、遺伝子的に他人という事実を突き付けられることになるのだ。
※女性セブン2014年2月13日号