インフルエンザの猛威が止まらない。1月13~19日の1週間で、全国の医療機関に駆け込んだ患者数は、推計で約66万人(厚生労働省発表)。前週の約34万人から、1.9倍にも増えた。
ウイルスの魔の手は子供たちにも伸びて、今シーズンは同月19日までに合計1117の学校施設で、集団感染による休校や学級閉鎖の措置がとられた。
こうした状況のなか、「外出時はマスク着用」が習慣づいている人も多い。
「今シーズンは例年より早めにマスクの特設コーナーを設置しました。昨シーズンに比べ、約1.2倍のペースで売れています」(マツモトキヨシ広報担当)
電車内や人込みでの着用は、自己防衛としてだけでなく、エチケットとして必須になりつつある。
「きっかけは2009年の新型インフルエンザ騒動。現在、日本におけるマスクの年間生産量は25億枚にものぼります」(全国マスク工業会専務理事・藤田直哉さん)
近年、店頭で販売されているマスクの大半は“不織布(ふしょくふ)”を使ったマスクだ。
「15年ほど前、それまで主流だったガーゼタイプに代わるように不織布のマスクが登場しました。洗って使い回すガーゼタイプより、使い捨てる不織布のマスクのほうがより衛生的なので、瞬く間に主力になりました」(藤田さん)
30マイクロメートルほどの大きさの花粉に比べ、PM2.5は2.5マイクロメートル以下、インフルエンザウイルスに至っては0.3マイクロメートルほどの小ささになるが、非常に細かい編み目を作れる不織布は、99%ウイルスカットなどフィルターの機能も高い。
「一般に市販されているマスクなら、かけ方を間違わなければ、花粉や細菌などが体内に入らないようにする役割をしっかりと果たせます」(藤田さん)
最近では、うるおい機能や香り付きのものなど、マスク本来の“予防”効果にファッション性などをプラスした商品も続々登場している。
また、前述のPM2.5など、フィルターの編み目よりも小さな物質もあるが、それに対してもマスクは一定の効果があるという。
「編み目より小さな物質は、フィルターでブロックできずに通り過ぎてしまうと考えている人も多くいますが、実際はそうではありません。
小さい粒子でも、マスクの繊維に付着して除去できる場合も多い。そういう意味でも、やはりマスクの着用は大事ですね」(東京農工大学大学院教授・畠山史郎さん)
※女性セブン2014年2月13日号