ビジネス

【ドル円週間見通し】新興国通貨不安で円買い圧力継続を予想

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月3日~2月7日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、7日に期限を迎える米国の連邦政府債務上限と米国1月の雇用統計を見極める展開となる。連邦公開市場委員会(FOMC)での100億ドルのテーパリング(量的緩和縮小)を受けて新興国通貨不安が高まっており、通貨防衛的な政策金利引き上げも奏功していないことで、リスク回避の円買い圧力が継続することが予想される。

【連邦債務上限の引き上げ期限】(7日)
 ルー米財務長官は、2月7日の期限までに議会が合意し、国際金融市場の混乱を避けるよう要請している。協議が難航した場合、米国のデフォルト(債務不履行)懸念が高まることで、ドル売り要因となる。楽観論は、議会超党派による、今年11月の議会中間選挙をまたぐ形で年末までの上限引き上げを認める案。悲観論は、野党・共和党内の強硬派が、オバマ政権に対する歳出削減圧力を強める動き。

【米国1月の雇用統計】(7日)
 米国の1月の雇用統計の予想は、失業率は6.7%(12月6.7%)、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人(12月+7.4万人)と見込まれている。注目ポイントは、2013年12月の非農業部門雇用者数(速報値:前月比+7.4万人)の改定値と、米国労働省が2013年3月までの1年間の雇用を203万人から34.5万人上方修正し237.5万人とする可能性を示唆していること。

【日本の1月上中旬貿易収支】(7日)
 日本の1月上旬の貿易赤字は、-1兆3815億円だったが、上中旬の貿易赤字は、さらに拡大することが見込まれており、円売り圧力を強める材料となる。

【テクニカル分析】
 ドル・円は、103円74銭と93円75銭を底辺(9.99円)とする「三角保ち合い」を上放れていることで、目標値108円84銭処が点灯している。しかしながら、ダブルトップ(105円45銭・105円42銭)、124円14銭から75円32銭までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(105円49銭)達成を受けて、半値押しの101円付近への調整局面入りの可能性が高まりつつある。

 2月3日-7日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)1月ISM製造業景況指数- 3日(月)日本時間4日午前0時発表
・予想は、56.0
 参考となる12月実績は56.5に低下しており、市場予想とおおむね一致していた。5項目で上昇、4項目で低下。1月のNY連銀製造業景気指数、1月のフィラデルフィア連銀景況調査は改善しており、市場予想をやや上回る可能性がある。

○(米)1月ADP雇用統計- 5日(水)午後10時15分発表
・予想は前月比+19万人
 参考となる12月実績は+23.8万人。幅広い分野で雇用が増加しており、市場予想を上回った。米労働省発表の12月雇用統計と大きく異なる結果となったが、1月の数字は12月実績との比較でやや減少する見込み。1月中旬までの新規失業保険申請件数は前月比で減少しており、市場予想は妥当な水準。

○(米)12月貿易収支- 6日(木)午後10時30分発表
・予想は、-359億ドル
 参考となる11月実績は-343億ドル。輸出が過去最高となったことや原油輸入額の減少が貿易赤字の縮小に寄与した。工業供給品、資本財、自動車の輸出が増加しており、12月もこの傾向は維持される見込み。貿易収支は輸入量の増減次第となるが、市場予想は妥当な水準か。

○(米)1月雇用統計- 7日(金)午後10時30分発表
・予想は、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人、失業率は6.7%
 参考となる12月実績では、非農業部門雇用者数は天候不順の影響で前月比+7.4万人にとどまった。1月18日時点の新規失業保険申請件数は32.6万件で12月14日時点の37.9万件を下回っている。12月の非農業部門雇用者数は上方修正される可能性があるが、1月の市場予想は妥当な水準か。

 主な発表予定は、5日(水):(米)1月ISM非製造業景況指数、7日(金):(日)12月景気動向。

【予想レンジ】
・ドル・円100円00銭~105円00銭

トピックス

年の瀬に向けて多忙な日々を過ごされている雅子さま(2024年11月、大分県。撮影/JMPA)
《来年はもっと海外へ》雅子さま、ご活躍の舞台が急拡大の見通し 来年度の国際親善の経費が大幅に増額、訪問先の有力候補はアメリカとブラジル
女性セブン
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)主演の神木隆之介
『海に眠るダイヤモンド』制作秘話 神木隆之介はYouTubeでホストを研究、杉咲花は長崎弁に奮闘、ネトフリ配信に間に合わないほど超タイトな撮影スケジュール
女性セブン
カニエ(左)とビアンカ・センソリ(右)(Getty Images)
《過激ファッションで物議》カニエ・ウェストと18歳年下妻、「丸出しで愛を誓う」仰天セレモニーを計画 海外メディアが報道
NEWSポストセブン
来季の主戦場は日本ツアーにする意向を示した稲見萌寧(時事通信フォト)
【もともと海外志向ではなかった】女子ゴルフ・稲見萌寧、来季は日本ツアー復帰の意向 米ツアー経て再び掲げる“究極の目標”
週刊ポスト
三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」に参列された愛子さま(東京・文京区。撮影/JMPA)
愛子さま、佳子さま、悠仁さま 三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」で最後のお別れ 悠仁さまは高校を休んで参列
女性セブン
大塚寧々と田辺誠一
《スマホの暗証番号も一緒》大塚寧々と田辺誠一「スピード再婚」から22年「いい夫婦」の愛だけがあふれた日常
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《沈黙続ける折田楓社長》「朝、PR会社の方から直接連絡がありました」兵庫県HPから“同社記事が削除された理由”
NEWSポストセブン
犬猿の仲といわれていた織田裕二と柳葉敏郎
織田裕二『踊る』スピンオフ『室井慎次』にこっそり出演 「柳葉さんがやるなら…」と前向きに検討、確執は昔の話 本編再始動への期待も高まる
女性セブン
谷川俊太郎さん(右)への思いを語った中島みゆき(左)(事務所の公式HPより、右は共同通信社)
中島みゆきが独占告白「本当に星になっちゃった。でも星は消えないですから」言葉の師と尊敬する谷川俊太郎さんとの別れ、多大な影響を受け大学の卒論テーマにも選択
女性セブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《慶應SFC時代の “一軍女子”素顔》折田楓氏がPR会社を創業するに至った背景「女子アナ友人とプリクラ撮影」「マスコミ志望だった」
NEWSポストセブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン
折田氏(本人のinstagramより)と斎藤知事(時事通信)
《折田楓社長のPR会社》「コンペで5年連続優勝」の広島市は「絶対に出来レースではありません」と回答 斎藤知事の仕事だけ「ボランティア」に高まる違和感
NEWSポストセブン