日本中が大沢樹生・喜多嶋舞のDNA鑑定騒動を注目する中、夫が本当の父親ではないというケースは珍しくないという。
ワイドショーで会見する大沢を見ながら、娘がつぶやいた。「お母さん、私ってお父さんに似てないよね」。そのひと言にA子さん(38才)は心臓が飛び出るほど驚いた。
「何、言ってるのよ。私に言わせれば、パパとあなたはそっくりよ」
娘のほうを振り返って笑ったが、A子さんの笑顔はぎこちなかったはずだ。胸の鼓動は、速くなり、背中に流れる冷たい汗は、一向にひかない。
A子さんには、身に覚えがあった。
「夫と結婚する前、年下の大学生ともつきあっていました。二股です」
高校時代につきあい始めた夫は、最初の彼氏でもある。一緒にいると楽だし、仕事は真面目にしているようだし、互いの両親のこともよく知っている。そう遠くない将来、この人と結婚するのだろうという予感もあった。
でも、当時A子さんはまだ24才。ドラマで見るOLライフを体験しないまま結婚することが幸せなのか、疑問も持っていた。その隙をつくように、大学生が声を掛けてきたのだ。
「ナンパです。ああ、私にもこういうことがあるんだって嬉しくて、それで、何度か遊びました。妊娠がわかったのは、しばらくしてからです」
どちらの子なのか、A子さんには判断がつかない。混乱のなか、A子さんがとった行動は、大学生には何も伝えず別れ、夫とはできちゃった結婚をするというものだった。
「だって、大学生の彼は、見るからに遊び人で、この人と結婚しても、将来がなさそうだなって思って…」(A子さん)
いわば、今の夫と大学生の将来を天秤にかけた打算の末の結婚だったわけだ。
夫の子じゃないかも、と思ったのは、娘が生まれてしばらくしてからだ。発端は「耳垢」。夫もA子さんも乾いているが、娘のものは湿っている。
迷ったが、久しぶりに大学生に電話を掛けてみた。
「あなたって、耳垢、乾燥してる? 湿ってる?」
急な質問に戸惑いながらも、大学生は答えた。
「湿ってるけど…なんで?」
この耳垢の性質は遺伝することが知られている。A子さんは、電話を切ると、大学生の連絡先をアドレス帳から消去した。今日までそれを、ひとり胸の中にしまい続けてきた。自分が黙っていれば、絶対にばれないはずだと。
「正直、夫に魅力は感じません。でも、娘のため、私のために、これから先もいい妻を演じ続けるつもりです。万一、事実が明るみにでもなったら、私たちは間違いなく離婚することになるでしょう。そうなれば、養育費ももらえず、私の娘も路頭に迷うことになりかねませんから」(A子さん)
※女性セブン2014年2月13日号