その兆候はすでに明確に出ています。たとえば、五輪の東京開催が決定する直前に大手不動産会社が東京湾岸エリアのマンション用地を落札した際の坪単価は、隣接する用地を3年前に別の大手不動産会社が落札した価格の1.5倍でした。
一方、首都圏郊外のニュータウンの物件は、叩き売り状態でも買い手がつかないのが現状です。つまり、不動産はすべての銘柄が値上がりするわけではなく、金持ち相手に商売をしている一部の銘柄しか値上がりしない可能性が高いといえます。
それから、政府の規制緩和の追い風を受ける、旧財閥系などの政府寄りの企業の株価は、上昇期待も高いです。さらに、輸出関連企業も期待できると思います。日銀がさらに異次元の金融緩和を行なえば、為替相場は1ドル=120円ぐらいまで円安に進むと思われるので、輸出企業の業績は先行きが明るくなります。
デフレの時はボーッとしている人でも資産を守れましたが、そうした人はインフレ時には必ずやられてしまいます。15年間もデフレが続いてきたので、これからも何となく大丈夫だと考えている国民が多いと思われますが、2年間で8%の物価上昇が起こる中で、何もしないのはまさに自殺行為に等しいといえます。
超格差社会で苦しまないよう、インフレの恐ろしさをよく認識し、知識を蓄えて、株式投資で資産防衛を実践してはどうでしょう。
※マネーポスト2014年新春号