ソチ冬季五輪とブラジルW杯が重なる今年は、各局のスポーツ担当アナたちにとって「最高の見せ場」だが、それは同時に生き残りを賭けた厳しい1年のスタートでもある。一方、元アスリート組のキャスターも、スポーツ番組で起用されなくなれば職を失うも同然のためピリピリムード。特に自分と「分野」が被るライバルが現われた場合には大変だ。
例えば、冬季種目の花形であるフィギュア界は、金メダリスト・荒川静香(32)と八木沼純子(40)がオファーを二分している。
「荒川には日本人として初めて五輪のフィギュアで金メダリストになったという抜群の実績があり、現役時代の実績では他の追随を許さない存在。しかし、荒川はキャラクター的にちょっと堅すぎるところがある。
日テレとのつながりが強く、他局が簡単に仕事を依頼できる状況にないこともあって、他局はキャスターとしてのキャリアが上で、気心の知れている八木沼を重用しているようです」(スポーツ紙記者)
マラソン界の争いも熾烈。金メダリストの高橋尚子(41)や、世界陸上銅メダリストの千葉真子(37)らも健闘しているものの、徹底した取材と安定感に定評のある増田明美(50)がやはり第一人者。
「現場に増田さんが現われると、選手たちもみんなリラックスした様子で増田さんといろいろ話しています。一見すると世間話のようなんですが、こうして集めた情報が仕事にも生きている。ああいう空気をつくれるキャスターは、まだ増田さん以外にはいないと思いますね」(カメラマン)
絶大な信頼を寄せられるベテランがいる一方で、現役アスリートと近い目線で語れる若手も参入してくるスポーツキャスターの世界。現役時代の知名度はもちろん大切だが、そこには落とし穴もあるという。広告代理店関係者が語る。
「田中に関してもいえることですが、スポーツキャスターというのはかわいいだけではつとまりません。テレビの世界には、女子アナをはじめきれいどころはいくらでもいる。
かつて“美人アスリート”として期待された潮田玲子(30)やビーチバレーの浅尾美和(27)はそれほど伸びませんでした。実際、テレビ局関係者でも、“田中が入ってきたって、陣内さんや増田さんのようにはなれない”という人もいます」
※週刊ポスト2014年2月7日号