「選ばれた者しか立つことができない舞台」。それが、“聖地”国立競技場である。これは何もスポーツに限ったことではない。
国立競技場を音楽コンサートなどで使用する際には、天然芝の保護や、近隣住民への配慮など、様々な厳しい審査や規制をクリアしなければならない。許可されること自体がまれな、正に“狭き門”なのである。
この国立競技場が、本格的な音楽イベントに最初に使用されたのは1985年。『国際青年年記念 ALL TOGETHER NOW』という大規模なジョイントコンサートで、当時のビッグネームたちが一堂に会したことでも有名である。
1996年には、3大テノールの東京公演が行なわれている。
この公演は、S席7万5000円という高額チケットでも話題になった。世界中で熱狂的な支持を得ている3人(ルチアーノ・パバロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラス)の歌声を聴こうと、全国から6万人の聴衆が集まった。
日本のアーティストで単独コンサートを行なったのは、過去4組しかいない。SMAP、ドリームズ・カム・トゥルー、嵐、ラルク アン シエルである。
中でも、嵐は2008年から6年連続で『アラフェス』と呼ばれるライブを行なっており、いまや、国立競技場の“風物詩”となっている。
※週刊ポスト2014年2月14日号