2月1日、プロ野球界はキャンプインを迎え、また新たな1年が始まった。プロ野球中継では、プレーのみならずアナウンサーや解説者の軽妙なトークも楽しみの1つだが、野球中継が地上波から激減、つまらなくなったといわれて久しい。そこで本誌は専門家の意見を元に、野球をもっと面白くするドラフト制度改革案を考えてみた。まずは、あるテレビ局関係者が自戒の念を込めて語る。
「試合や技術、野球という競技の面白さそのものではなく、選手のプライベート情報を重視して“物語”を作ろうとしすぎる。おまけに視聴率が下がったことを“華がないから”と勘違いし、タレントを出して騒がせるからさらにファンが離れる。野球好きの人は、見ていてもこれぞプロというべき細かいプレーが見られないからつまらないし、野球を知らない人には説明不足。結果、誰も楽しめない中継になっているんです」
民放は一度、演出を排除した野球中継に挑戦してみてはどうか。そのために必要なのが、「解説者の技能の見直し」だ。
「発言が問題になったら干されるし、現場復帰が頭にちらついたりして、とにかく無難にこなそうとする人が最近多い。選手や監督采配に厳しくいわない解説者ばかりです」(同前)
確かにかつての豊田泰光氏などに代表される、鋭い指摘ができるOBが少なくなった。ファンが求めるのは、選手や監督を褒めるばかりの解説者ではない。そのOBの経験に基づき、納得できる理屈とともに、毅然とした解説ができる人物だ。
また、OBが増えすぎて解説者の椅子に空きがなく、若いOBがなかなか仕事にありつけないことも事実。ここは一つ、AKB48に倣って、「野球解説者の総選挙」を実施し、上位から「優先解説権」を取れるという仕組みに変えてはどうだろうか。各解説者の技量も上がっていくはずである。
※週刊ポスト2014年2月14日号