大沢樹生と喜多嶋舞の騒動で遺伝子検査が話題だが、東京大学准教授の池谷裕二さんは、254種類の病気とリスクが分かるアメリカの最先端遺伝子検査“23andMeを受けた1人。
「3年前に受けたんですが、結果は、パーキンソン病になるリスクが平均より1.74倍高いというものでした。最初は驚きましたが、平均発症率が1.6%であることを考えるとぼくのリスクは3%未満。逆にいうと、パーキンソン病にならない確率は97%以上ということですよね。
そう思ったら、かえって安心しました。さらにすい臓がんや動脈がんのリスクもわかりましたが、知っておけば定期的に検診を受けて病気を予防できるし、医療費の削減にもつながるとなると、遺伝子検査は今後の医療に不可欠なものになっていくんじゃないかと思いました」(池谷さん、以下「」内同)
一方で、遺伝子検査のセンシティブな問題も指摘。
「遺伝子は自分だけではなく、親や子供、親戚にも直接的に影響します。例えば、60才ぐらいで亡くなってしまう危険な遺伝子が発覚したとする。本人が20代なら『それまで有意義に人生を送ろう』と思えるかもしれないが、親にも同じ遺伝子があることになる。父親がまだ50代ならたまったもんじゃありません。知りたくもないのに『あと数年ですよ』と言われてしまうんだから。“知りたい権利”と“知りたくない権利”の両方をどう守るかは重要な問題ですね」
遺伝子検査の今後については、将来的には遺伝子検査をもとにした子供が生まれるのではないかと池谷さん。
「いずれ、優秀な子供を産むために、結婚相手を遺伝子で選ぶ時代がくるかもしれません。そしたら、遺伝子選別で生まれた子に、ぼくたちのような旧式の人間は『あの世代は性能悪くて使えないよね』『病気を持っている人多いよね』って邪魔者扱いされるんでしょうね(笑い)。あながちSFの話ではないと、ぼくは最近感じているんです」
※女性セブン2014年2月20日号