創設100周年を迎える宝塚歌劇団。記念イベントも目白押しの中、宝塚研究者の銀橋さんが宝塚の魅力を語ってくれた。
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私がまず言いたいのは、“ヅカ”は“ベルばら”だけではないということ。夢のような華やかさを求める人にはすすめますが、苦手な人は日本物や現代劇を。『オーシャンズ11』(2011~2012・2013年に上演)などは映画原作の個性的な登場人物を“宝塚版”として楽しめます。
日本物では『忠臣蔵』(1992~1993年に上演)などの渋い作品も。文学や映画の舞台化も多いですが、宝塚オリジナルの作品や、最近では人気ゲームの舞台化もあってジャンルは多彩。完成度が高いものが多くて本当にスゴイ!
また、宝塚は政治的なメッセージ性が比較的少なく、夢の世界を追求しているのも魅力です。同じ作品でも演出家によりずいぶん変わり、個人的には正塚晴彦先生がイチオシ。宝塚らしからぬハードボイルド系の作品がうまく演劇好きにおすすめ。コテコテのラブストーリーではなく、例えば相思相愛でも大人の事情でラストは別々の人生を歩む…など余韻あるストーリー展開で秀逸な演出が光ります。過去の作品はDVDやCS『タカラヅカ・スカイ・ステージ』で見られます。
※女性セブン2014年2月20日号