ビジネス

クレーマー常習者 異物混入指摘するも「詫びの一言もない」

 企業のクレーム処理の現場では、「安易に謝罪すべきでない」と考える人も少なくない。謝ると落ち度を認めたことになる、というのがその言い分だが、実際にトラブルが起きた際、詫びの一言がなかっただけで、さらに大きなトラブルに発展するケースもある。ではクレーマーは、何をどう考えてクレームしているのか、新刊『理不尽な人に克つ方法』(小学館新書)を上梓したばかりの元刑事でクレーム対応のプロである援川聡(えんかわ・さとる)氏が解説する。

 * * *
 クレーム常習者に話を聞いたことがあるのですが、彼はこんな面白い言い方をしていました。

「料理に異物が混入していたので指摘すると、『あっ』と言うだけでお詫びのひと言もない飲食店は結構多いんですよ。こっちは気をつかって小さな声で言ったのに、あっちは無神経。『申し訳ありません』と丁寧に対応してくれたら、そこで終わる話なのに、そうならないんですよ。

 調理にせよ、配膳にせよ、人間のやることなのでミスはしかたがないと思ってるんです。その代わり、そのあとの対応がお粗末だとこっちもね。そうなったらガンガンいきます。でも、こっちが怒鳴ったとたん、向こうは急に丁寧な対応をしてくる。それも余計に腹が立つんですよ」

 本人も言っているとおり、こうした類いのクレームは、「申し訳ありません。すぐに商品をお取り替えいたします」とスピーディに対応すれば、たいてい収束に向かうんです。クレーマー=ホワイト・モンスターの多くは、はじめから悪意があるわけではなく、一時の興奮で怒りを暴発させてしまっているだけなのですから。

 私たちの周囲にあるトラブルの大半は、「謝って済む問題」です。だったら、謝って済ませてしまえばいいのです。

※援川聡・著/『理不尽な人に克つ方法』(小学館新書)より

関連記事

トピックス

年の瀬に向けて多忙な日々を過ごされている雅子さま(2024年11月、大分県。撮影/JMPA)
《来年はもっと海外へ》雅子さま、ご活躍の舞台が急拡大の見通し 来年度の国際親善の経費が大幅に増額、訪問先の有力候補はアメリカとブラジル
女性セブン
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)主演の神木隆之介
『海に眠るダイヤモンド』制作秘話 神木隆之介はYouTubeでホストを研究、杉咲花は長崎弁に奮闘、ネトフリ配信に間に合わないほど超タイトな撮影スケジュール
女性セブン
カニエ(左)とビアンカ・センソリ(右)(Getty Images)
《過激ファッションで物議》カニエ・ウェストと18歳年下妻、「丸出しで愛を誓う」仰天セレモニーを計画 海外メディアが報道
NEWSポストセブン
怒りの告白をしたJカップグラドルのなな茶
《総フォロワー500万人のインフルエンサー》なな茶がイベント“ファンの大量ドタキャン”に怒りの告白「すべて出禁にさせていただく」「“グラビアなんかしてるから”と心無いコメントも」
NEWSポストセブン
「動物環境・福祉協会Eva」の代表理事で俳優の杉本彩(HPより)
「熱中症で殺したり、溺死させたり…」悪質ブリーダーのヤバすぎる実態「チワプー」などの異種配合は「命への冒涜」【杉本彩さんインタビュー前編】
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」に参列された愛子さま(東京・文京区。撮影/JMPA)
愛子さま、佳子さま、悠仁さま 三笠宮妃百合子さまの「斂葬の儀」で最後のお別れ 悠仁さまは高校を休んで参列
女性セブン
大塚寧々と田辺誠一
《スマホの暗証番号も一緒》大塚寧々と田辺誠一「スピード再婚」から22年「いい夫婦」の愛だけがあふれた日常
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《沈黙続ける折田楓社長》「朝、PR会社の方から直接連絡がありました」兵庫県HPから“同社記事が削除された理由”
NEWSポストセブン
犬猿の仲といわれていた織田裕二と柳葉敏郎
織田裕二『踊る』スピンオフ『室井慎次』にこっそり出演 「柳葉さんがやるなら…」と前向きに検討、確執は昔の話 本編再始動への期待も高まる
女性セブン
谷川俊太郎さん(右)への思いを語った中島みゆき(左)(事務所の公式HPより、右は共同通信社)
中島みゆきが独占告白「本当に星になっちゃった。でも星は消えないですから」言葉の師と尊敬する谷川俊太郎さんとの別れ、多大な影響を受け大学の卒論テーマにも選択
女性セブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
《慶應SFC時代の “一軍女子”素顔》折田楓氏がPR会社を創業するに至った背景「女子アナ友人とプリクラ撮影」「マスコミ志望だった」
NEWSポストセブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン