セクシーショットで男性陣を魅了する壇蜜が、怪獣映画『地球防衛未亡人』の主演に抜擢された。2月8日に公開された“問題作”について、映画評論家の田沼雄一氏が解説する。
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壇蜜主演の怪獣映画! 宣伝惹句が「SMからSFへ」だって。この惹句は笑える。映画も笑える。一応、怪獣映画だが、中身は、超悶絶ものの爆笑エロ映画! 笑うと同時にヒデェ~と声に出したくなる。どうヒドいか上映館で確かめてください。まぁ必見のダメ映画というべきか。
三角諸島に怪獣ベムラスが出現。北上し、日本列島の発電所を襲い、使用済み核燃料を食べ始める。昨今の社会問題総ざらいといった壮大なテーマとともに、かつてベムラスに夫を殺され地球防衛軍に入隊した未亡人ダン隊員(壇蜜)がベムラスへの復讐に燃(萌)える!?
ベムラスはTV「ウルトラマン」シリーズに登場したベムラーのパロディ。地球防衛軍JAP(日本人差別の蔑称風に聴こえる発音)の上官役を「ウルトラセブン」のモロボシ・ダン役森次晃嗣が怪演。その森次が壇蜜に「ダン隊員!」と強い口調で声をかける場面がやたら可笑しい。ウルトラマンの着ぐるみに入っていた古谷敏がニュースキャスターで出演するのも愉しい。
そうしたくすぐり演出を超越し、観る者を唖然呆然とさせるのが壇蜜の未亡人役だ。ポルノ映画の名物『未亡人』シリーズもさぞやマッ青のスーパー悶絶艶技を見せる。防衛軍戦闘機に乗り込み、ベムラスへ攻撃を開始したとき、壇蜜のスーパー級の悶絶艶技が画面いっぱいに炸裂する!
驚いた、大いに笑った。抱腹絶倒。スゴいのなんのって。久々に観る弩級の爆笑アホ映画。アゴが外れたか? と一瞬、ヒヤリとするほど開いた口がふさがらなくなった。
早くも今年のワーストワン当確だが、壇蜜の艶技は主演女優賞もの(ホントか?)。『1941』で戦闘機に乗り込むと突如発情するナンシー・アレンの将校秘書官を思い出した。こう書けば、壇蜜が戦闘機内でどうなるか分かるでしょ。
■地球防衛未亡人
2月8日から角川シネマ新宿他でロードショー(上映中)
上映時間1時間24分
※週刊ポスト2014年2月21日号